評価ポイント2 「データフィード機能」
キーワード入稿にも関連しますが、とくに大規模なECサイトにおいて、データベースから入稿するキーワードをルールに基づき大量生成し、テンプレートとして準備しているクリエイティブを在庫情報と連動させて表示させるというデータフィードについても、導入を検討しているのであればチェックしておきたいところです。
基本的には、各社がこのデータフィードをサポートする機能を実装しています。ただ、データを更新できる頻度は各社さまざまですし、商品データの受け渡しファイルはcsvだけか、XMLも使えるのか。また、データをFTPで受け渡して完全に自動化されているのか、バルクシートの生成までしか行わずに、実際の入稿作業は手動になるのかというあたりの確認が必要になります。
データフィード機能は手動の管理では難しい部分があり、統合管理ツール導入の最大のメリットといってもよい部分ではあります。しかしそれゆえに、細かい特徴の違いは把握しておきたいところです。ここで失敗すると、データフィードで実装する上での必要条件が整っていないツールを選択してしまう可能性があります。評価ポイントは以下のとおりです。
「データフィード機能」の評価ポイント
- データ受け渡しのファイル形式
- データ更新頻度
- データのアップロード方法
評価ポイント3 「アトリビューション機能」
おそらくもっとも機能の特徴把握が難しいのが、このアトリビューション機能と次の自動入札機能になるでしょう。
まず、コンバージョンまで至るパス(広告接触履歴)の分析ができるか否か、というのはアトリビューション分析を実施する上で大変重要なポイントです。各社、そういったレポートの提供は可能です。ただしさかのぼれる接触回数の制限の有無、確認ができるパスのバリエーションの数の制限の有無、広告接触としてViewも含められるのか、クリックだけなのか、第三者配信アドサーバ(3PAS)やDSPとどこまで連携できるのか、ということがポイントになります。
また、アトリビューションのモデリングにおいて、どの接触の重みをどのように変えると、全体のパフォーマンスがどのように変わるのかというシミュレーションの提供が可能か否か、モデリングそのもののサジェストをしてくれるか否か、という部分で大きく特徴が変わってきます。評価ポイントはこちらです。
「アトリビューション機能」の評価ポイント
- コンバージョンまでのパスを抽出するレポートの詳細機能
- 第三者配信アドサーバ/DSPとの連携
- アトリビューションのシミュレーションの柔軟性
- モデリングそのものの自動化
評価ポイント4 「自動入札機能」
そして、自動入札機能です。まず自動入札においてルールベース入札とポートフォリオ入札の2種類があることはご存知かと思います。事前に入札条件を定め、その条件に基づいて入札を実施するルールベース入札の場合、この機能はほぼ全社機能としては持っています。ただ、入札を実施する条件の上限数、条件に使えるデータの種類、AND条件やOR条件の設定など各社それぞれの特徴があります。
ポートフォリオ入札の場合、先述のアトリビューションのモデリングを前提とした入札ができるのか否か、そもそもポートフォリオ入札ができるとうたっているものの、よくよく吟味すると実現できることが違うことすらあります。
自動入札の、とくにルールベースの部分は「これぐらいはできる」という認識が、運用者側もツール事業者側も強くなりがちで、細かいチェックをしないことが多い部分。しかし、実際のオペレーション作業に落としてみると、そもそも立ち行かなかったり、作業はできるものの大変複雑な手順を踏むことになるなど、全体の負荷に大きな影響を与える部分になるので、注意したいところです。
「自動入札機能」の評価ポイント
ルールベース入札の場合
- ルールに使えるデータの一覧
- ルールの重複条件の制限
- 入札のタイミングの制御
ポートフォリオ入札の場合
- アトリビューションのモデリングを加味しているか?
- 自社の測定データ(オーガニックや3PASなど)のデータを加味した入札が可能か?
- 最大化できる指標の種類
- 最大化の方法論
最低でもツールを選択する際は、上記に書いたようなところまでは検証をした上で、導入可否を決定したいところではあります。
さて、次回からいよいよ各ツールの特徴をご説明させていただきます。