BtoB企業におけるマーケティングの実態
不況と言われ久しいこの時代に、収益(売上高)成長率139%を達成する絶好調の企業がある。その名はシャノン。企業のマーケティングおける課題を解決するソリューション「シャノン マーケティング プラットフォーム」を提供する会社だ。このシャノンが、BtoB企業におけるマーケティング活動の現状と課題の抽出のため調査を行い、「国内BtoBマーケティングの現状と課題」レポートを作成した。このレポートは2011年から作成されているが今年の調査である傾向がみえはじめたという。
「調査結果を紐解くと『現状と課題』『施策の動向』『育成施策への取り組み』という3つの視点からそれぞれ特徴的な傾向が見えました。この傾向はBtoB企業におけるマーケティングを再考するきっかけになるのではないかと感じております。そういった背景から今回の調査レポートのタイトルは『マーケティング元年に飛躍するための3つの指針』とつけております」(シャノン 長崎氏)。以下、資料とともに内容をダイジェストで紹介していこう。
まず、挙げられるのがマーケティングの成果を商談数で評価している企業が増えたことだ。
この傾向に対して長崎氏は「BtoB企業のROIに対する意識がシビアになっていることがうかがえます。かつては、成果をリスト獲得におく傾向でしたが今やROIの概念自体に変化が見られ始めています。獲得したリストをいかに商談へ結びつけるかが重要視されはじめています。そういった意味では、2013年の2位に『商談に結び付かないリードが多い』が挙がっているのは、その変革の表れでしょうね」と考察した。
次に挙げられるのが実施施策の変化についてだ。最も多く実施されている施策が、昨年の「メールマガジン配信」から「展示会出展」に変動した。この理由としては、次のような点が考えられる。
- メールマガジンをはじめとするオンライン施策から、セミナーや展示会といったオフライン施策まで、オンオフ問わず積極的に施策を行う企業が増えた
- これから取り組みはじめる企業がまずは展示会でのリスト獲得を優先した
「この傾向は米国でも同じです。オムニチャネルという言葉を耳にするようになりましたが、複数チャネルでの対策が重要になってくることは間違いありません。また、オンラインで獲得したデータとオフラインで獲得したデータの統合も重要なポイントになってくると考えられます」(長崎氏)。最後に、見込み客フォロー施策において、メールによるフォローが昨年に比べ増えたことも見逃せない。
これは、メール配信によるフォローを、マーケティング部門で積極的に行うという意向の表れだろう。一方、昨年と比べると、セミナーがメールDMを抜いて1位になっている点も見逃せない。メールDMの誘導先としてオフライン施策を活用するなど、立体的な施策展開が求められているのかもしれない。また、行動履歴に基づいたメールによるコンテンツへの興味関心も高まっている。
「リスト獲得数ではなく、いかに商談へつながったのかを重視する、オムニチャネルへの対応、行動履歴データの活用など、ROIへの捉え方の変化とともに、収集したデータをいかに活かしていくのかといった視点が芽生えはじめている印象です。まさに、BtoBマーケティング元年と言えるのではないでしょうか」(長崎氏)
国内BtoBマーケティングの動向がわかる以下の資料のダウンロードが可能です。
BtoB マーケティング元年に飛躍するための3つの指針
これまで述べた課題解決のヒントとなるのがシャノンの掲げる「BtoB マーケティング元年に飛躍するための3つの指針」。シャノンは以下の3つのキーワードを挙げている。順に見ていこう。
- 統合管理
- データ活用
- オムニチャネル
1.統合管理
統合管理とは施策の統合管理とデータの統合管理、の2つを意味する。マーケティング環境が劇的に変化する中で、「思いついた時にすぐに施策を実行できる」環境へのニーズは日々高まっていると言える。そのためには、各施策を横断して見ることができるよう、ツールを統合して管理するような環境を整えることが大切だ。
一方、統合して管理することはデータの一元管理にもつながる。一元管理が実現できれば、煩雑なデータ移行作業やデータ漏えいの可能性を減らすというメリットにもなる。シャノンが提供するクラウドアプリケーション「シャノンマーケティングプラットフォーム」の場合は、施策の統合実施管理ができるだけではなく、履歴情報を自動で取得し、個人情報と紐付けて管理するこも可能のようだ。
2.データ活用
メールのクリック履歴やWebの行動履歴に紐づけたマーケティングが実行できれば、より効率的なマーケティングが可能となる。どのページをどの程度閲覧したか細かく分析し、ユーザーの関心分野の予測や関心度が高まったと思われるタイミングをキャッチすることも可能だ。
また、商談に繋がったものに関して、見込み客の履歴情報から施策評価を行うことにより、見込み客の抽出条件設定やスコアリングモデル作成につなげることもできる。しかも、保有する見込み客情報や履歴情報など全てのデータと外部データを連携できれば、「より使える」データベース構築・維持が可能となる。
3.オムニチャネル
増え続ける情報チャネル。チャネルに対して適切に対応していくことは、BtoB企業にとっても重要な課題だ。そのためには、まず、商慣習、企業や業界文化など個々の業界の違いを踏まえることが大切と言える。例えば、情報処理・通信などの業種はオンライン系施策が、官公庁・金融・不動産といった業種はオフライン系施策が効果を発揮しやすいという特徴があり、その傾向を掴んだ上で全体の施策を実行することが求められている。
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行動履歴データの活用で精度の高いマーケティングを実現
前述のした3つの指針の中で、企業が特に注目しているのがデータ活用。様々な施策により集まった顧客の行動履歴データはどうすれば活用できるのか。プリセールスなど現場での顧客対応業務を経て、マーケティング部門へ転籍したシャノン マーケティング企画本部 プロダクトマーケティング担当の村尾慶尚氏は次のように話す。
「行動履歴データの活用には、キャッチできていないアクティブ見込み客の把握、顧客行動に反応したマーケティング活動の実施や営業活動の効率化、商談化率向上への貢献など、様々なメリットがあります」(村尾氏)
「例えば、ある企業でデータを取得すると、朝のアクセス数が多いということがわかりました。試しに、朝の早い時間帯にメールを配信してみたところ、やはりCTRが高いということがわかりました。なぜこのような結果が出たのか検証したところ、スマートフォンによるランディングが非常に多かったのです。ここで考えられる一つの仮説は、朝の通勤時にスマートフォンでメールを見て、その場でクリックしているのではないか、ということ。そこで、朝のメールマガジンを送るところから対策してみよう、ということになりました。行動履歴データを活用することで、このような精度の高い対策が可能となります。また、営業活動の効率化の例としては、営業前に過去の履歴等をきちんと確認してから架電していただいた例があります。たったそれだけのことですが、約2倍の発注が生まれました」(村尾氏)
つまりは、行動履歴データを活用して正確なマーケティングをしましょう、ということ。だが、言うは易し行うは難し。各部門間の軋轢や意見の相違など連携を阻む壁は何層もあり、戦略を適切に実行することは容易ではないようだ。村尾氏は現場で目にした経験から、できることから取り組んでいくことが大切だと語る。
「確かに現実的には一朝一夕でできることではありません。ただ、できることから少しずつ実行すれば、必ず成果につながってきます。手前味噌ですが弊社でも行動履歴データで失注率が下がるなどの成果につながっております。テクノロジーを上手く活用し、最大限オペレーションの効率化を図っていくことで、少ないリソースで成果を挙げている例も出はじめています」(村尾氏)
データ統合・活用、増え続けるチャネルへの対応…マーケティング上の課題は日々増えている状況だ。それらの課題を解決するための機能が揃ったシャノンマーケティングプラットフォームをあなたの会社でも試してみてはどうだろうか?
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