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Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

「お客様とのコミュニケーションに加え、インナーマーケティングにも貢献」 ポーラ「ニッポン美肌県グランプリ」の狙い

ポーラレディの意識も変えた

 ── それでは、2013年のキャンペーンについて教えてください。今年のグランプリも島根県が受賞されました。去年と異なる点はありますか?

 今年のグランプリは年間通した(2012年10月~2013年9月)肌データ70万人によって、ランキングさせていただきました。昨年は8月~2か月間8万人のデータを採用いたしましたが、エリアによっては過酷な環境の時期だったこともあり、さまざまなフィードバックをいただきました。

 そこで気候・変化など公平性をより高めるために年間データ採用にいたりました。2012年の反響の大きさからキャンペーン認知があがり2012年に比べメディアへの露出量が拡大したこともありますが、一番大きい点はポーラレディの方々の意識変化です。

 美肌県グランプリを通じて、県や季節によって肌の状況が異なることが再確認でき、ポーラレディの方々もお客様の肌を定常的に見ていかなければいけないという意識が強くなったようです。その結果、店頭でのスキンチェック数が多くなり、その効果で売上にも好影響が出てきています。今年のグランプリは、2年連続で島根県が受賞しました。これからどのくらいの規模の露出があり、副次的な広がりとしては何ができるのか楽しみにしています。

2年連続グランプリの島根県
2年連続グランプリの島根県

 ── 1,420万人の肌データ、今回の70万人のデータというのは御社にとって財産であり、ユーザーにとっても自分のお肌を維持するための貴重な要素になりますね。

 はい、大きな財産であり私たちしか保有していないデータです。いままでもこのデータをメディアの方々に定期的に開示していたのですが、専門的なデータですのでとり上げていただく機会が多くありませんでした。美肌県グランプリは私たちがこのような莫大なデータを保有しているという情報を、メディアの方々に知っていただく機会にも役立っています。

 ── 自社の資産を活かしたキャンペーンの設計という視点でも、御社のこのキャンペーンには多くの注目が集まりそうですね。

 そうですね、ご期待に応えられるようなコミュニケーションを続けていきたいと考えております。APEX-iという商品自体の改良やスキンチェックはこれからも続きますし、それと連動してデータ量やデータに対する信頼性も高まっていくと思います。

 また、温暖化が進むことによって日本の天候が過去と比べ随分変わってきていると言われています。それはお肌にとっての環境の変化にもつながりますので、今までとは違うお手入れが必要になります。そのメッセージを出していくこともメーカーとしての義務だと思っています。

オウンドメディアはつながりメディア

 ── 従来型の広告キャンペーンとオウンドメディアを活かしたキャンペーンの違いをどう感じますか。

 オウンドメディアは定常接点として、なくてはならないプラットフォームだと思っております。また、オウンドメディアは“つながりメディア”だと捉えています。

 例えばテレビ・新聞・OOHなどは、一時的に認知を向上させることは可能ですが瞬間的なものです。一方オウンドメディアはマスからの受け皿にもなれますし、情報発信メディアとしても使えます。

 2012年の美肌県グランプリの発表の際は、アクセスが集中してしまいまして会社のサーバーがダウン寸前でした。会社のサーバーがダウンするほどのアクセス数ははじめてのことで、オウンドメディアが接点としていかに大切なのかが身に染みてわかりました。これからのマーケティング・コミュニケーション活動にオウンドメディアは欠かせない存在であり、さらにそれを中心としてコミュニケーションシナリオを練ることが重要と言えるのではないでしょうか。

美肌県グランプリの全体構造
美肌県グランプリの全体構造

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/12/16 15:00 https://markezine.jp/article/detail/18871

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