14日定着数を増やすアプローチ
基本的な考え方は、前回紹介した、目標とする条件を満たしていない人を条件を満たした人に近づける考え方ですが、何と何を比較すればよいか、いくつかパターンを紹介します。

パターン1:「7日定着と14日定着の違い」
7日定着期間にいたけれど、14日定着ユーザーにいなかったユーザーの違いを、前回紹介したような、行ったアクションの違い、アクションの深度の違いなどで比較する方法があります。パターン1はかなり大雑把にユーザーを分類して比較する手法です。
パターン2:「7日定着期間の起動回数に着目する」
続いて、7日定着期間にどれぐらい起動したら、14日定着するのかという視点でデータを見てみましょう。

今までの図と、軸や数値が異なる点に注意してください。左に行くにつれて起動回数が多くなり、右に行くにつれて起動回数が少なくなっています。棒グラフは7日定着期間における起動回数別のユーザー数です。そのn回起動したユーザーの何割が14日定着期間にも訪問・起動した割合を示すのが赤い点線です。
この図から、7日定着期間に3回以上起動すれば、約70%は14日定着期間にも残るという結果が得られます。さらに3回ではなく、4回起動すれば、約70%から80%と大きくその割合が増えます。
これはあくまで結果論ですが、このデータから、2回起動する人と3回起動する人の違い、3回起動する人と4回起動する人の違いの仮説を立て、検証して、施策に落としこむことで、14日定着率の上昇につなげていきます。
定着率をKPIとして設定した際の注意点

ウェルカム画面
定着率は、定着数を登録数で割って算出します。
定着率=定着数/登録数
その場合、登録のポイントがどこにあるかが重要です。
たとえばTwitter登録前の画面は右のようになっています。登録してからでないとサービスの内容はわからないし、何も操作できません。この場合、登録数・CVRが上昇します。その後、「求めていたサービスと違った」と思って離脱する人数が多数出た場合、登録数の多さゆえに定着率が低くなります。
対して、登録せずともコンテンツが閲覧でき、登録するとメリットがあるような会員サービスになると、登録数は少ないかもしれませんが、モチベーションの高いユーザーが入ってきているので、定着率が高くなるかもしれません。
形式の異なる複数サービスを運営・担当している場合、各サービスをこの定着率のみで比較することは適切ではありません。あくまでも達成したい目標から逆算し、現状の定着率をどの水準まで高めることで、どのぐらい目標にインパクトがあるか試算して、適切な定着率の目標値をサービス毎に設定していくことが重要と考えます。
まとめ
いきなり細かすぎる指標を追いかけてもなかなか難しいものです。まずはn日定着率という定義に期間があるような大雑把なもので把握し、その大雑把な定義を細かく分析していくことが大切と感じます。焦らず、結果論から仮説を立ててみるのも良いかもしれません。