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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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FEATURE

その手があったか!!「2013年 世界の凄いプロモーション10選」

感染症発生率が70%減少!子供たちが石鹸を使いたくなる啓発プロジェクト

国名:南アフリカ 業種:国連機関 組織名:WHO 参考資料:YouTube

 世界保健機関WHOが南アフリカで手掛けた、社会問題を解決に導く啓発プロモーション。南アフリカのケープタウンにある貧民街は衛生環境が劣悪なため、毎年数千人もの人々がチフス、下痢、肺炎、コレラなどの感染症で亡くなっているといいます。中でも子供たちの死亡率が高く、衛生状態の改善が急務となっていました。

 子供たちの命を奪ってしまう感染症の多くは、実のところ頻繁に石鹸で手を洗うことによってかなりの割合で防ぐことができます。そこでWHOは、子供たち一人一人に石鹸を配布することにしました。ただし、普通の石鹸を単に配布するのではなく、石鹸を確実にしかも頻繁に使ってもらえるようにと「Hope Soap」という特別な石鹸を作ったのです。

 子供たちに配布される「Hope Soap」の中には、オモチャが埋め込まれています。ミニカー、キティーちゃんのフィギュアなど、どれも子供たちにとって魅力的なものばかり。石鹸の中のオモチャが欲しい子供たちは、石鹸を使い切るために一生懸命に石鹸で手や体を洗うという仕組みです。

 結果、貧民街で発症する感染症は何と70%も減少しました。“ただ石鹸を配って終わり”という企画ではなく、目的を達成することを念頭におき、ターゲットのインサイトをついた使ってもらう仕掛け・仕組み作り・習慣化の演出に、感心させられました。

Webサイトに誘導させるクリエイティブな見開き雑誌広告

国名:南アフリカ 業種:出版 雑誌名:Playboy 参考資料:CreativeCriminals

 男性誌の『Playboy』がWeb版を宣伝するために制作した雑誌広告。同誌ではおなじみの美女の裸体が見開きページに写っていますが、バストトップがちょうどページとページの間で切れて見えなくなっているというクリエイティブです。

 ページの右上隅には、“This wouldn’t happen online” というテキストとともに、ウサギのロゴキャラクターの一部がQRコードになっています。ユーザーがこのコードをスキャンしてWebサイトで見ると、「こんな風に肝心の部分が切れてもどかしい思いをすることがなく、バッチシ見られますよ!」ということを示唆しています。

 男心をものの見事に捉えた広告表現。一般的にあまり読み取られない印象のあるQRコードですが、このコードのスキャン率は桁違いに高そうですね。

無料Wi-Fiのネットワーク名を使って、見込み客の来店を促進

国名:スペイン 業種:飲食店 ブランド名:McDonald's 参考資料:YouTube

 スペインでは、日本と同じように多くのレストランやファストフード店で無料のWi-Fiサービスを提供しています。マクドナルドでも同様のサービスを提供していますが、Wi-Fiの電波は店の外や近隣のレストランにまで及んでしまうため、顧客でない人も利用できてしまうという、本意ではない使い方をされることもしばしばありました。

 マクドナルドではそんな状況を逆手に取り、店の外で同店のWi-Fiサービスを使おうとする人を店内に誘導するべく斬新なアイディアを考案。スマートフォンやタブレットでWi-Fiの設定をオンにすると、近くで使用可能な無線LANの一覧が表示されますが、その一覧に表示されるマクドナルドのネットワーク名を「宣伝メッセージ」に変えたのです。

 具体的にはこんな感じです。

「2時です。コーヒーブレイクの時間ですね。マクドナルド店内では無料Wi-Fiに加え、今なら無料でサンデーもプレゼントしてますよ!」、「無料Wi-Fiを使いたいのでしたら、そこで使っていただいて構いません。でもマクドナルドにくれば、美味しい食事も楽しめますよ」

 現代人の行動習慣に着目した愉快なアイディア。飲食業界大手のマクドナルドですが、常に顧客獲得のための工夫を怠らない、“攻めの姿勢”が素晴らしいと思います。

ブランドメッセージが端的に伝わる「世界一細い自販機」

国名:フランス 業種:飲料 ブランド名:Diet Coke 参考資料:YouTube

 「コーラを思いっきり飲みたいけどカロリーが気になる」、そんな時に重宝するダイエットコークが、そのコンセプトを端的に訴求するためのプロモーションをパリで実施しました。その名も、“The Slender Vender”

 “ダイエット・コークでスリムな体型が手に入る”ことを、ターゲットに予想外の手法で訴求するために世界一細い自販機を街のさまざまな場所に設置します。例えば、人通りの多い道の真ん中。美容院の座席と座席の間。カフェとカフェの小さな隙間。自転車専用道路。ボーリングレーンの間。スポーツジムにあるランニングマシーンの間etc…。

 世にも珍しい細い自販機を思わぬ場所で見つけた人たちは、驚きながらも楽しんで自販機を写真撮影し、PinterestなどのSNSに投稿したといいます。

 「自販機はこういうものだ」という固定観念を覆す、狭い隙間にも設置できる超スリムな自販機。シンプルで、コンセプトが直感的に伝わりますね。前例にとらわれない、自由かつド直球の発想、とっても素敵です。

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一流レストランの仕掛け人はなんと“ディスカウントスーパー” その真意とは…

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この記事の著者

山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/12/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/19037

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