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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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『ザ・アドテクノロジー』刊行記念スペシャルコンテンツ

【横山・有園・菅原鼎談・後編】データマーケティング時代に広告代理店が生き残る勝機とは?


今後、広告人はどう変わるべきか

有園:では今後、広告人はどう変わるべきでしょうか?

横山:端的に言うと、経営者が変わらないとダメです。経営者が変わらなければ、組織的に人材育成ができません。その結果、現状では個人の資質で学んでいくしかありません。意識的に自分で新しい知見をものにしていかなければいけません。会社が広告人としてのデジタル対応の知見を教えてくれるわけではないので、データをマーケティングにどのように活かすか、自ら学んでいくしかありません。

有園: 総合広告代理店の人たちが、検索連動型広告の重要性にまったく気付いていなかった頃から、私はずっとこちらの世界にいます。面白いと思ったから、たまたまやってきて、今ここにいるわけです。世の中はアナログのままではなく、テレビもデジタルになってきています。これはあくまで私の予想ですが、ゆくゆくはテレビCM自体も、行動ターゲティングできるようになると思っています。本人が面白いと思えるかどうか、それが肝でしょう。

菅原:危機感でできることではないですが、デジタルマーケティングは、やっぱり面白いです。私も新しい可能性を大きく感じていますが、極論を言ってしまえば、「広告が変わる」でも、「広告人が変わる」でもありません。世の中が変わって、生活者が変わっているのです。

横山:これから7~8年で、広告業界そのものの構造が劇的に変わっていくでしょう。証券会社の営業マンが97年頃から現在までに約半分になったように、今の広告代理店にいる営業マンの数が半分になってもおかしくはありません。

 枠を手売りすると言いますが、人を介して売るか、オンラインで自動的に買いつけるのか、その比率は今後も大きく変化していきます。今まで、広告主はメディアが作った広告メニューを選んできましたが、DSPなどの登場で誰に広告を配信するのかを自ら選べるようになりました。

 広告枠を選ぶのではなく、究極のターゲティングをするのです。そうすると、手売りは相対的に少なくなり、営業マンが減っていくのは必然的です。それに伴い、枠モノで収入を得るということが非常に難しくなっていくでしょう。

※本記事は書籍『ザ・アドテクノロジー』の特別取材記事のカットアップ版です。本書では、これまで消費者と企業のコミュニケーションの担い手として重要な役割を果たしてきた広告人が、デジタル時代に生き残っていくためにはどうすべきなのか、その道筋を横山氏に伺っています。本書では18ページにわたる長編を掲載していますので、ぜひお手にとっていただければ幸いです。
著者:菅原健一氏、有園雄一氏、岡田吉弘氏、杉原剛氏
『ザ・アドテクノロジー~データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで』

[目次]
1. 広告革命
2. ネット広告概論
3. アドテクノロジー
4. データドリブン
5. アトリビューション
6. 賢人に聞く
●横山隆治氏「広告人は変われるか」
●塚本陽一氏「デジタルの知見を武器に、自らのスキルを変革せよ」
COLUMN:テレビCMに検索キーワードが入るまで
付録:著者陣によるブックガイド、用語集

DSP、RTB、SSP、DMP、第三者配信、カオスマップの読み方、データフィード、商品リスト広告(PLA)、アトリビューションまで、各キーワードと概念を包括的に理解するために役立つ1冊です。加えて、デジタル時代のマーケター・広告人のキャリア構築を指南する特別取材記事を収録し、著者陣によるブックガイドや用語集、COLUMNも盛り込まれています。予約・購入はこちら!(本書の発売は2014年2月13日です)→Amazon.co.jpSEshop

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/02/10 10:08 https://markezine.jp/article/detail/19169

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