アップグレード後に注意しておきたいこと
ユニバーサル アナリティクスに移行することで集計されるデータにどのような差が生じる可能性があるのかを事前に把握しておきましょう。
セッションの定義が増えることで訪問数が増える?
今までのga.jsとユニバーサル アナリティクスではセッションの定義が一部変更になります。

今までのga.jsではサイトを離脱してもセッション期間内(デフォルトでは30分以内)にサイトに戻ってくれば同一セッション内の行動として計測されていました(ただしCookie内の参照元情報が上書きされれば30分以内でもセッションは切れます)。

しかしユニバーサル アナリティクスではサイトを離脱後、セッション期間内に戻ってきても同一セッションとはならず、新しいセッションが開始されます。
つまりセッションの定義が変更になることでサイトの訪問数が増える可能性があるということです。特にECサイトでASPサービスを利用している場合、ショッピングカートを含む購入プロセス間でドメインが変更になる場合は購入プロセス間でセッションが切れてしまいます。
もし購入プロセス間にドメインが変わる場合は、管理画面の参照元除外設定で該当するドメインを指定しておくことで新しいセッションが始まることを回避することが可能です。
カスタム ディメンションを使ったビューフィルタがリアルタイムレポートに反映されない?
ユニバーサル アナリティクスではカスタム変数の拡張版であるカスタム ディメンションをビューフィルタに適用することが可能になります。リアルタイムレポートを検証の用途で利用する方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら現在のリアルタイムレポートはカスタムディメンションを使ったビューフィルタが反映されません(2014年2月現在)。
カスタムディメンションによるビューフィルタが正しく適用されているかを確認する際には、テスト用のビューでフィルターを利用し、標準レポートに反映されたデータを確認しましょう。
今までのリピート訪問はアップグレード後にどうなる?
アップグレード後に新規訪問やリピート訪問がリセットされることはありません。アップグレード前にリピート訪問だったものはアップグレード後も引き続きリピート訪問として計測されますのでご安心ください。
アップグレードは焦らず、慎重に
サイト内でイベントトラッキング、カスタム変数、eコマース トラッキングを使ったカスタマイズを多数行っているサイトであれば、トラッキング コードの記述を書き換えるステップ2の工数や手間も大きくなります。この機会にぜひ一度、サイト内のどこにどのようなカスタマイズを行っていたのかを洗い出してみるのもいいでしょう。
ディスプレイ広告との連携をしている場合はユニバーサル アナリティクスがディスプレイ広告との連携に対応するまでアップグレードを待ちましょう。
ユニバーサル アナリティクスでのデータの精度が気になるのであれば、ga.jsとユニバーサル アナリティクスのトラッキング コードを同時併用しながら、双方の計測データにどの程度の乖離が生じるかを確認することをお勧め致します。誤差の範囲として許容できる差だと判断できれば、タイミングを見計らって既存のga.jsをユニバーサル アナリティクスへアップグレードするという方法を推奨します。