購入者と非購入者では行動のどこが違う?
次に、レノボでサイト最適化を担当している、シニアマネージャーのロウシン氏が登壇。レノボ社はパソコン・タブレットなどを中心に提供する、160以上の国にオフィスがある、世界規模のメーカー。レノボでは、どのようにClickTaleが使われているのか。はじめに紹介されたのは、Lenovoのトップページ。購入者と非購入者の違いをヒートマップで表したものだ。
購入者は上部のナビゲーションをよく使い、フリーワード検索を活用していた。また、割引やバナー広告に注目が集まる傾向があることがわかった。一方で非購入者は、バナー広告などには興味を示さず、国の選択をする傾向もあった。このように、同じページへのアクセスでも、訪問者によって、見ているコンテンツは大きく変わっている。
レノボはこの結果を受けて、レイアウトやフリーワード検索、ボックスの見直しなどを行った。さらに、国の選択をトップページから外し(もちろん、現在のトップページにも存在していない)、商品を選択したタイミングで、自動的に該当する国へ遷移するようにしたそうだ。
購入者と非購入者の閲覧行動の違いは、製品(ノートパソコン)一覧のページでも発見できた。購入者は縦に並んでいる商品群を見ており、左上にある商品絞り込みのフィルター機能を活用していることがわかる。一方、非購入者はページ内にある様々な画像を見ており、集中して商品を見ていなかった。
最後に、ユーザー行動を動画としてプレイバックする機能を利用し、日米での購入ユーザーの行動の違いを紹介した。米国ユーザーは購買をする時、すぐに商品のページに飛び、購入ボタンを押す傾向が多いとの結果が出た。逆に日本のユーザーは、商品ページでスクロールをゆっくり行い、商品の説明をしっかり読んでから購入している事がわかった。日本のユーザーからの声を見ても、スペックや商品情報などを求める要望が上がっており、サイト内での行動を裏付ける結果となった。
これらの事例から「購買者は明確に行動が決まって」おり、「非購入者は悩み、様々な行動をしている」という事がわかる。改善を行なう上では、コンバージョンしていない人、つまり、非購入者の分析をする事が大切である、というメッセージをロウシン氏は残した。