これまで、BtoB企業のWebマーケティング活動は、BtoC企業に比べ、控えめであまり注目されていなかった。しかし、海外マーケットにおける厳しい競争、顧客本位のサービス強化が、状況を大きく変化させ、施策の活発化や投資の加速が進んでいる。こうした環境変化を背景に、アイ・エム・ジェイは「BtoB企業のWebマーケティング実態調査」を実施した。
「デジタルマーケティング専任担当がいる」企業は4割超
調査の結果から、約4割のBtoB企業にデジタルマーケティング専任担当がおり、兼務担当の割合を上回っていることが判明した。また、売上高1,000億円以上の企業は42%、売上高300~1,000億円の企業は50%、売上高300億円以下の企業は37%と、多少の差異はあるものの、デジタルマーケティング専任担当がいる割合は、企業の売上高にあまり関連しないようだ。
「販促・マーケティングの年間予算が1億円以上」の企業は約2割
また、BtoB企業の販促・マーケティング年間予算で、もっとも多かったのは「1億円以上」の21.2%だった。逆に「1,000万円未満」は20.7%であったが、そのうち約4割の企業は、売上高が50億円以下に。一方で、販促・マーケティング年間予算が、前年度より増額された企業は16.8%であり、2.3%の企業が10%以上の予算増額と回答。前年度並みと回答した企業は65%であった。
営業・マーケティング課題は「国内シェアの拡大」が最多
BtoB企業における、営業・マーケティングの課題は最多は「国内シェアの拡大」(53.7%)に。それに「新規顧客の取り込み」(51.4%)、「既存顧客の囲い込み」(30.8%)、「海外への進出・取引拡大」(27.1%)が続いた。売上高1,000億円以上の企業では、この割合・順位が大きく変わり、「国内シェアの拡大」(42.1%)、「新規顧客の取り込み」(39.5%)、「海外への進出・取引拡大」(36.8%)、「既存顧客の囲い込み」(34.2%)となった。
デジタルマーケティング課題への取り組み状況
デジタルマーケティング課題への取り組みについて、「効果が出ていない」は、「できている・効果あり」をほぼすべての施策で上回っており、「取り組んでいる」担当者の約53%は、「効果が出ていない」と感じていた。「自社Webサイト活用」に「取り組んでいる」は、79.9%と最も高い施策だが、同時に「効果が出ていない」と回答した比率も最高値で、Webサイト担当者の悩みの深さが表れていた。
グローバルサイト活用に取り組むが、半数以上が「効果が出ていない」
「グローバルサイト活用」と「運用の効率化」は、「効果が出ていない」が「できている・効果あり」を大きく上回った。「グローバルサイト活用」は、「効果が出ていない」が、取り組んでいる担当者の56%を占め、「運用の効率化」は「PDCAサイクルの実現」と併せ、運用における担当者の大きな課題になっていることが明らかになった。
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査対象:20~59歳の男女(※調査会社が保有する調査パネル)
有効回答:222サンプル
調査日時:2014年3月31日~4月1日
対象者条件:企業内でWebサイトもしくはデジタルマーケティングの従事者
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