野村総合研究所は、2014年3月、国内の5エリアを対象に、地上波およびBS放送のテレビ番組について、視聴実態調査を行った。
現在、BS放送の視聴可能世帯は約3,400万世帯。CS放送についても多くの世帯が視聴可能となるなど、テレビ放送は多様化している。一方、ハードディスクを利用した録画機の普及や、テレビ放送の視聴ができるパソコン、スマートフォン、タブレット端末の出現により、生活者の視聴環境も大きく変化している。
ドラマは録画視聴する人の割合が高い
地上波放送の番組に関して、リアルタイム視聴(放送時間中の視聴)に対する、録画を含めた視聴(リアルタイム視聴に加え、録画して後から見る分を加えたもの)の比率を求めると、1.21倍であった。
ジャンル別でみると、ドラマで録画視聴する人の割合が高く、海外ドラマでは2.04倍、日本のドラマで1.63倍に。その他のジャンルで録画を含めた視聴の比率が高いものは、アニメ(1.75倍)、映画(1.74倍)など。スポーツ(1.11倍)、情報番組(1.06倍)、ニュース(1.02倍)などは、録画せずにリアルタイムでみている割合が高くなっていた。
性・年代別では1.16~1.27倍の範囲内で、録画をしている割合に大きな差はないといえる。また、エリア別でも1.18~1.23倍の範囲内となり、大きな差はなかった。
BS放送は地上波よりも録画視聴の割合が高い
地上波とBS放送を比較すると、録画を含めた視聴とリアルタイム視聴の比率は、地上波で1.21倍であったのに対し、BS放送の場合は2.02倍となり、録画して視聴する割合が高かった。
BS放送で、録画を含めた比率が高いジャンルとしては、アニメ:3.53倍、海外ドラマ:3.36倍、映画:2.89倍などがあった。また、日本のドラマは1.65倍で、地上波の1.63倍と同程度の水準に。一方、BS放送の場合は、ニュースを録画する割合も高く、地上波:1.02倍に対して、BS放送のニュースは1.15倍となった。
録画した番組をタブレットやパソコンなどで見る割合は4.9%
録画した番組を、タブレットやパソコンなどテレビ受像機以外の機器で見る割合(地上波・BS放送の両方を含む)は4.9%で、タブレットやパソコンなどで録画番組を楽しむライフスタイルが徐々に広がっているようだ。ジャンル別では、ドキュメンタリーが6.4%、バラエティとアニメが5.3%、スポーツが5.2%に。海外ドラマは1.6%で、テレビ受像機以外の機器で見られている割合は低くなった。
【調査概要】
調査名:「視聴実態調査」
調査時期:2014年3月3~16日
調査方法:インターネット調査
調査対象:5エリア(北海道、関東、中京、関西、九州)に居住する男女個人
サンプル数:7,500サンプル(男女20歳~69歳)
有効回答数:5,089(1日以上回答あり)
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