情報サービスをグローバル展開するエクスペリアン
エクスペリアンは、世界各国でデータや分析ツールを提供するグローバルな情報サービス企業だ。本社はアイルランドのダブリン。英国、米国、ブラジルにも事業本部を構え、44か国17,000人以上の従業員を擁している。蓄積された企業情報を活用する与信管理や信用リスク管理、企業の意思決定分析、消費者およびビジネス情報に関する専門知識を提供するほか、デジタルマーケティングにおける顧客中心のマーケティング活動支援も展開している。

国内では旧日本法人のExperian Japan KKと、メールマーケティングに実績を持つ国産ベンダーであるエイケア・システムズおよびアルトビジョンが2012年11月に合併、新たにエクスペリアンジャパンとして活動を開始している。こういった経緯もあり、エクスペリアンジャパンではメールを活用するところからデジタルマーケティングの世界に参入している。グローバル企業でありながら、実績ある国産ベンダーを取り込んでいるところが大きな特長と言っていいだろう。
グローバル対応製品でありながら国内ニーズも取り込む「Experian CCMP」
2014年5月7日、エクスペリアンは、クロスチャネル・コミュニケーション実行環境「Experian Cross-Channel Marketing Platform(CCMP)」をグローバルで提供開始した。
CCMPはマルチチャネルを対象にキャンペーンを設計し、それを運用してマーケティングオートメーションを実現するツールとしては後発となる。逆に後発だからこその優位性で、十分に市場ニーズを取り込み、当初からモバイルを主要チャネルのひとつに設定している。
エクスペリアンでは現在、グローバルで有している開発リソースをCCMPの開発に集中させている。その成果もあり、3か月に一度という高頻度で機能強化を図っており、常に最新のマーケティングトレンドにあわせた製品進化を実現している。このあたりは、デジタルマーケティングに特化しているベンダーの強味だろう。
グローバル企業の製品では、ローカル固有の環境特性の把握や独自ニーズの吸収が課題となりがちだが、それにも積極的な対応を行っている。エクスペリアンはグローバルの方針として、個々のリージョンニーズを大切にしているのだ。そのため、外資としては珍しく日本国内にも製品企画チームが存在する。
国産ベンダーとしてメールマーケティングツールを提供してきた体制も活かし、日本の製品企画部が絵文字やデコメール、空メール(ダブルオプトイン)対応、夜間配信停止機能などのローカルニーズへの対応を行い、製品開発に反映させている。さらにテクニカルサポートについても国内に体制を持ち、国産ベンダーと遜色ない対応を実現する。