買い付け方法の違いによるメリット・デメリット
RTBによるプログラマッティックバイイングの場合、ギャランティードバイイングと異なりメディアがあらかじめ決めた期間、配信量でバイイングをするのではなく、広告主の広告戦略にそって非常に柔軟にメディアバイングを行うことができるため、プランニングの幅が広がるというメリットが生まれます。
しかし、動画広告枠売買のマーケットでリアルタイムに入札をして広告枠をバイイングするため、広告の配信量があらかじめ100%保証できないというデメリットもあります。また、入札業務等の発生により、広告運用を行う担当者の力量によりパフォーマンスに差が出てしまう場合も多く、高度な運用ノウハウが求められます。
その他にも、厳密な配信先のコントロールも必要です。動画広告枠を売買するマーケットは、メディアは簡単に参加できるため、配信先として適さないサイトも数多く存在します。
そのため、ギャランティードバイイングとプログラマティックバイイングは、そのメリット・デメリットを理解し、キャンペーンの目的によってうまく使い分けることが大切です。

バイイング別の市場予測
以下のグラフはギャランティードバイイングと、プログラマティックバイイングの市場予測について、Magna Globalのプログラマティックバイイングに関する予測データとeMarketerの市場成長予測データ、Lumaのプログラマティックバイイングについての予測データをもとに、試算したグラフです。横断的なデータが存在しないため、複数リソースから筆者集計でグラフを作成しました。
2011年以降、動画広告でのプログラマティックバイイングが、急速に成長している様子がよくわかります。運用ノウハウが必要とされるもののプログラマティックバイイングを使いこなすことができれば大きなメリットが生まれるため、今後日本でも予算が集中してくる見込みが高いと言えます。

一方メディア側の視点に立つと、あらかじめ収益が保証されないプログラマティックバイイングは敬遠される傾向にあります。
しかし、最新の動画SSPではメディア側で価格をコントロールするための最低価格の設定機能や、プライベートディールを成立させるための機能が整っているため、必ずしもメディアにとってデメリットだけの状況ではなくなりつつあります。
メディアは最低入札価格を設定することで、それに満たない金額の広告をブロックし、メディア側の視点で見た時に価値の高いと判断した広告のみを受け入れるという設定ができます。また、RTBでなく直接取引を成立させるための機能も整っており、ギャランティーバイイングと同様の広告枠の販売を同じプラットフォーム内で行うことができるようになっています。
この機能により、広告主は予約型のプレミアム広告枠をプログラマティックバイイングと同一プラットフォームで運用、効果測定が一元管理をする事ができるようになります。