ハードウェアボタン「ホーム」と「戻る」、その違いによる影響
iOS端末は、最初の「iPhone」から最新の「iPhone5s」まで、ハードウェアのボタンとしては、一貫してただ一つ「ホーム」ボタンを持つだけでした。それに対して、初期のAndroid端末はハードウェアのボタンを多数もっていました。
2010年に発売された、代表的な初期のAndroid端末「Nexus One」では、「戻る」「メニュー」「ホーム」「検索」といったボタンを備えていました。しかし、年月を経るごとに徐々にボタンの数は減ってゆき、必要最低限なものだけに絞られていきました。
最近のAndroid端末では、なんとボタンが一つだけというものも存在しています。Nokia製のAndroid端末「Nokia X」などがそうです。そこに残ったボタンは「戻る」ボタンでした。普通に一回タップすると「戻る」、長押しで「ホーム」の機能として動きます。


iOS端末とAndroid端末の両者で、外部サイトを展開するときの挙動が違うのは、ハードウェアの制約や、その考え方の違いに起因しています。結局のところ、ソフトウェアのユーザーインターフェースを考える上で「なぜそのほうが良いのか」という問いを突き詰めていくと、たどり着く根拠としてハードウェアのデザインというものがある場合が少なくありません。
Android系の端末で現状残ったボタンは「戻る」ボタンでしたが、もし仮にiOS端末でも「戻る」ボタンがあったなら、または「ホーム」ボタンではなく「戻る」ボタンであったなら、おそらく、今見ているiOSのインターフェースとはまた違ったデザインになっていたことでしょう。
引用サイト:
「Gigazine」http://gigazine.net/
「tenki.jp」http://www.tenki.jp/
「Yahoo!ニュース」http://news.yahoo.co.jp/
「Line News」http://news.line.me/
著者紹介
原田秀司(はらだひでし):Webサイトやアプリの設計を行うインターフェースデザイナー、Webディレクター。また、TV画面で表示するインターフェースや、ゲームコントローラなどを使った設計なども行っている。自著『UIデザインの教科書』(翔泳社)