視聴完遂率“サバイバルレート”が9割!「バイト女性の駐車テク」
友澤:「タウンワーク」は香取慎吾さんを起用した“バイト日本代表!”のシリーズ、「フロム・エー」はキャラクター“パン田一郎”くんのシリーズがそれぞれテレビCMで放映されていますが、ウェブ用の映像はどのように制作していますか?
板澤:単純におもしろければ話題になるのではと思ったのですが、おもしろくても話題の切り口が分からないとSNSに上がらないんですね。試行錯誤を重ねて、どういう文脈で視聴されたいのかというコンセプトを明確にすることが大事だと気付きました。
昨年タウンワークでは「タウンワーク バイト日本代表チャレンジ!」として、すごい技を持っているアルバイトスタッフの取材動画を制作しました。その中で、駐車テクニックを取材した動画がSNSで話題になり、「バイト女性ドライバーの神ワザ駐車テク」というタイトルでYahoo!映像トピックスに取り上げられて、アクセスが大きく伸びました。
友澤:このときは、どんな指標を見ていたのですか?
板澤:アクセス数などのほか、友澤さん用語でいう“サバイバルレート”、動画の視聴完遂を見ました。驚いたのは、これが9割を超えていたことです。Yahoo!映像トピックスに取り上げられると、キャッチーなタイトルやリード文で映像へのコンテキストが付与されるので、検索して動画にたどり着くよりも関心高く視聴されると分かったため、これ以降はYahoo!映像トピックスへの掲載を意識するようになりました。
“突っ込まれ”キャラを生かして視聴完遂単価2円台
友澤:直近では、かなりいろいろな種類のビデオ広告や映像コンテンツをアップされていますよね。どのような方向性で展開しているんですか?
板澤:ひとつは、ソーシャルで人気の方々とのコラボです。Flash動画で有名な「鷹の爪団」や、すでにファンがついている複数のYouTuber(YouTube上にオリジナル動画を継続して公開し、広告収入を得ているユーザー)とコラボして、オリジナルの映像コンテンツを制作しています。こちらはさまざまな切り口で注目してもらい、話題化を図っています。
もうひとつは、テレビCM素材をより若年層のターゲットに絞り、かつソーシャルに適した形に加工して、ビデオ広告として流すことです。こちらは、どのような文脈で話題になるかを想定して加工しています。例えばパン田一郎の“突っ込まれキャラ”を強調したりすると、ターゲットの反応を多く得られました。
友澤:ビデオ広告による純粋想起率や認知の向上を考えると、こうした場合のゴールはクリックではなく、視聴完遂率になってきますね。
板澤:そうですね、ビデオ広告ではあまりクリックは重視していません。先のパン田一郎のビデオ広告をGyaO! インストリームアドに流した結果では、やはり広告後に本来見たいコンテンツが控えているため、視聴完遂率がパソコンで86%、スマートデバイスで81%にも上り驚きました。その単価も2円台と安かったですね、あまり言いたくありませんが(笑)。
さらにここでは効果測定として、アトリビューション効果測定と、アンケートも行いました。