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UIウォッチング ~マルチデバイス時代のインターフェースを考察する~

一覧表示のインターフェースがUXを向上させる

現在、情報閲覧の主翼を担いつつあるスマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスは、刻々と進化を遂げていますが、モバイルデバイスは画面の大きさに制約があるため、とりわけ「一覧表示」におけるユーザ・インターフェースの進化が顕著です。今回はこの「一覧表示」のインターフェースについて考察します。

一覧表示のインターフェースに見られる工夫

 一覧表示におけるユーザの行為は「見る」「探す」「比べる」「選ぶ」などがありますが、いずれもインターフェースの良し悪しに大きく影響されます。以下、いくつか例を見ていきます。

 まず、iOS6とiOS7の、それぞれOS標準の写真アプリを見てみましょう。

iOS6標準 写真アプリ
iOS6標準 写真アプリ
iOS7標準 写真アプリ
iOS7標準 写真アプリ

 iOS6では、ただ時系列順に写真を並べるだけのインターフェースでした。iOS7では、写真を撮った日時だけでなく場所も加わっています。また時系列順も、年、月、週、日と段階的に並べられるようにもなりました。単にそれは横の分け方の違いというだけなく、「俯瞰して見る」また「フォーカスして見る」という上下の視点が入っています。

 また、Android版のGmailやiOS版 Stylectでは「選択」するための工夫が見られます。

Android版 Gmail
Android版 Gmail

 Android版のGmailでは、画像アイコン部をタップすることで「選択」することができ、返信や削除、その他の操作ができるようになります。それ以外に、左右にスライドすることで、そのメールを「アーカイブ」することもできます。

iOS版 Stylect

 iOS版のStylectというアプリでは、特に「選択」するという操作にフォーカスしています。Stylectは靴のECアプリですが、一覧表示される靴をスワイプすることで、サクサクと「好き」「嫌い」を選ぶことができます。ボタンのタップによっても選択できますが(画像3枚目)、スワイプでも選択できるところがスマートフォンでの利用にマッチしており、快適に操作できます。また、選んだ「好き」「嫌い」によって、ユーザに合った靴がリコメンドされるようになります(なお、アプリ名の Stylect は、style + collect から来ているのではないかと思われます)。

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この記事の著者

原田 秀司(ハラダ ヒデシ)

Webサイトやアプリの設計を行うインターフェースデザイナー、Webディレクター。また、TV画面で表示するインターフェースや、ゲームコントローラなどを使った設計なども行っている。自著『UIデザインの教科書』(翔泳社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/07/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/20390

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