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「今後10年で最も成長するのがマーケティング領域」日本市場における戦略── マルケト代表 福田氏インタビュー


どこまで自動化できるかがプロセスをスムースに回す際の差となる

 それではマルケトの特長はどこにあるのか。「第一に使いやすさ。ノンプログラミングでマーケターがセルフサービスで扱えることがコンセプトになっています」と福田氏は強調する。

 リードの抽出条件設定や、リードスコアリングの設定、キャンペーンのランディングページなど、あらゆる業務が設定レベルで行えるため、マーケティング部門がスピード感を持って業務を回せる。またセールスフォース・ドットコムやマイクロソフトなどのCRMともワンクリックで連携でき、5分おきのデータ同期も可能だ。

 例えば連携したCRM側からは、マルケトは画面上の1つのタブに見える。そこではマーケティング活動でのスコアリング結果がほぼリアルタイムに反映され、フォローすべき顧客がタイムリーかつ一目瞭然で把握できるのだ。こういった密な連携が実現しているので、マルケトの顧客の7割近くがSalesforceと連携させ利用しているようだ。

 案件が見えてからCRMやSFAを使いセールスのプロセスを管理するアプローチは多くの企業が取り入れている。マルケトで、その前の興味段階の顧客をセグメンテーションし見える化することにより、より将来の売上予測をたてやすくなり、マーケティングのどのフェーズに投資すべきかが判断できるようになる。

 第二の特徴は、統合されたプラットフォームであること。たとえば、自社のサイトで価格ページへの訪問者は具体的な検討と判断し、スコアリングのポイントは高くしたい。しかし、同じ訪問者が求人ページの閲覧していたり、所属が競合企業であれば、調査目的と判断でき、ポイントは低くしたい。

 このような柔軟なスコアリングができる事はもちろんだが、仮にWebアナリティクスとリードデータベース、Email配信ツールがバラバラだと、 リアルタイムにリードをセグメント化、細かくコンテンツを分けメールを出すには大きな手間がかかる。個々の機能連携が自動化できないと、マーケティング・オートメーションの運用はかなり難しいのだ。

 一連の活動をマーケターがセルフサービスで行えることと合わせ、1プラットフォームであるマルケトの強みを見せていく。このメリットを理解してもらうためには、顧客の成功事例を示すことが一番だと福田氏は言う。

 「マーケティングオートメーションの普及のためには、具体的な顧客事例を作って行く事が大切だと考えています。 海外にはすでに多くの事例がありますが、日本法人ができる前から日本にも30を超える企業でマルケトは利用されていますので、早期にご紹介できるようにしていきます」と、すでに国内実績があることをアピールする。

日本でビジネスを展開するにはエコシステムの構築が重要に

 日本への本格進出は出遅れたマルケト。遅れを取り戻しビジネスをいち早く拡大するために重要となるのがエコシステムの構築だと福田氏は言う。

 「米国では企業規模が小さくてもマーケティング担当者がいて、担当者を中心にマーケティング活動を回す体制ができています。しかし日本では、それなりの規模の会社でもマーケティング担当者がいないことも多々あります」(福田氏)

 そのため、日本ではきちんとマーケティングのプロセスを考え設計できる人材、顧客をセグメント化した上でどういうコンテンツを出せば良いかを判断しコンテンツを作成できる人材、マーケティング・オートメーションの仕組みを導入、運用できる人材が必要となる。

 さらには、企業においてマーケティングのやり方を変革するとなると、結果的には企業に組織再編を求めることにもなる。つまりは組織のリデザインができる人材も必要になるだろうと福田氏は言う。

 「企業でこういった人材を早期に揃えることは難しいでしょう。なので、これらの役割を担えるようなパートナー開拓が必要です。どのパートナーがどの役割を担えるのか、それぞれの領域で強さを持った企業と組んでマーケティング・オートメーションのエコシステムを作りたいと考えています」(福田氏)

 また、マルケトとの連携アプリケーションを提供するベンダーとも積極的に協業する。米国では、Launchpointというプログラムでこの領域のパートナー約250社とのエコシステムにも取り組んでおり、日本でも同様な動きをしていきたいと福田氏は考えている。

 「日本市場に定着している、日本独自のツールベンダーともパートナーシップを組んでいく予定です」(福田氏)。そのためにも、パートナー向けのトレーニングなど積極的な情報提供を開始する。

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ビジネスのタームが長い企業はマーケティング・オートメーション向き

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにしたソフトハウスの経営とライターの二足の草鞋を履いている。DB Online チーフキュレーター。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/13 17:14 https://markezine.jp/article/detail/20447

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