YouTuberはフリーランス時代の新たな生き方の一つ
10年以上前に、『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社、ダニエル・ピンク著)という書籍が話題になりました。この本は、会社組織の庇護を受けることなく、インターネットを使って一人自宅で働き、生計をたてる人が増えると予測した書籍です。
ここで予測されたことは2014年の現在、現実のものとなっています。企業に就職せずに、フリーランスで働くデザイナーやSE、ブロガーなど様々な職種が出てきましたが、その舞台はYouTubeにも広がりつつあります。
米ウォルト・ディズニーも注目するYouTuberの実力
特定の条件がない限り、インターネットに繋がる環境があればどこでも楽しむことができるYouTube。グローバルで最も大きな市場は英語圏の国々ですが、その中でもGoogleの本社があるアメリカは、日本と比べて、ネット動画の技術、広告クライアントの出稿、アドテクノロジーなどの面で大きく進んでいます。IABによると、2013年の段階で、すでにインターネットの広告収益がテレビ放送を超える事態まで起きています。(関連記事はこちら)
このような環境下において、Google内でYouTube動画クリエイターをサポートする組織「マルチチャネルネットワーク(MCN)」を作る動きが生まれ、今日では数万人規模のクリエイターを抱えるMCNも複数社存在しています。
すでにアメリカではYouTuberの認知は高く、彼らを活用した多種多様な企業タイアップが行われています。さらにはアメリカ合衆国が国のPRとしてYouTuberを起用するという状況まで生まれています。そして先日、日本でも大きな話題となりましたが、米ウォルト・ディズニーがアメリカ最大のMCNであるMaker Studiosを買収するというニュースが報道されました。これは世界最大のコンテンツホルダーであるディズニーがYouTuberを自分たちが扱うべきコンテンツとして認めたことに他ならないということの表れでしょう。(関連記事はこちら)
この流れは当然日本にも押し寄せています。まだアメリカほどではありませんが、広告代理店がMCNに近い事業を構想したり、フジテレビなどの映像に知見のあるプレイヤーがYouTubeプラットフォームを使った事業を開始するなど、その流れは顕著です。そして、このような環境の変化に敏感な企業は、プロモーションの一環でYouTuberに依頼するというケースもすでに出てきています。