収益最大化にはアナログな取引も大切
例えばFluctでは、その点のブラッシュアップのため、専門チームで配信方法を研究して新しい方法を試みたり、CTRを上げる調整を行ったりと、継続的に性能の向上に取り組んでいる。
RTBは機械的な取引だが、「支援する側は意外とアナログ」だと小澤氏。その最たる点が、各DSPやアドネットワークと毎日交渉を行っていることだろう。特に広告需要期には、実際に先方の担当者から頻繁に電話やメールで相談を受け、場合によっては大幅な高値の提示によってRTB取引をせずに買い切りを選択する場合もあるという。
また、新しい広告商品の開発もFluctの強みだ。DSPやアドネットワークの中には、総じて高く入札するものがあるが、それらは同時に配信ポリシーが厳しいことが多い。「そのためFluctでは独自のフィルターを通して媒体社側のコンテンツ解析を行い、配信できる広告を自動で判別することで、ポリシー違反を防いでいます。厳しいDSPやアドネットワークには、適合するコンテンツのときだけ入札、購入してもらい、それが最大化すればいいという考え方です」。
こうした対応は、媒体社側がSSPに広告収益の最大化を一括で任せてこそ可能になる。特にポリシーが厳しいことで知られるGoogle AdSenseについて、adingoは認定パートナーであり、さらに同社の社員が世界の認定パートナーのうち最も優れたコンサルタントに与えられる「Google AdSense Championship Award」を受賞しているので、サポート力、実績共に申し分ない。他にも、RTBの広告ログから最適なフロアプライスを自動設定できる仕組みや、過去事例や他社事例をすぐに反映できる仕組みなどを導入し、システムの部分でも常に進化を続けている。
PCはRTB全盛期、スマホでも急伸
最後に小澤氏は、現在のメディアマネタイズの主流を紹介した。まずPCは、まさにRTB全盛期。今やRTBがなければ収益化がまったくできない状況だ。「プライベートDMPを活用するメディアも出始めていて、ユーザーをセグメントして価値を見出しています。例えばある映画情報サイトでは『シリーズものの映画のPart.1を見た人だけにPart.2の広告を配信できます』と配給会社にアプローチしたりしています。これは当然、高値になります」
一方、スマートフォンの市場では、今年の春ごろからRTB取引の推移が急成長している。
「媒体社側からすると、当然PCからスマートフォンにトラフィックが流れているので、一刻も早くスマートフォンでの収益化を考えるべき」
一般的なSSPの解説に留まらず、仕組みの裏側や最新トレンドまで語ってくれた小澤氏。「SSPをいちツールではなく、ぜひパートナーとして考えてほしい」との言葉に大いに頷ける講演となった。
現在adingoでは自社開発のSSPやDMPの開発・販売を共に行っていくチームメンバーを募集しています。
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