SAPのアトリビューション分析事例
また「Optimizing Search & Digital Marketing with Multi-Channel Attribution Modeling」というセッションでは、ドイツの大手ソフトウェア企業SAP社のアトリビューション分析事例が発表された。目的を明確にしながらも、マクロとミクロの視点で各分析パターンを紹介していたのが特に印象的であった。
例えば、アトリビューション分析データを、各タッチポイント別に最小粒度まで計測し、明確な要因を見つけ出すことで、どの要素に予算を投下すべきかを理解することができる。
それを合わせて貢献度を測定し、それぞれの要因を分析する

また、各パターン別の貢献度をポジションマップで俯瞰的に評価している事例などは、とても具体的であり、分析手法のイメージとしては理解しやすかった。

アトリビューションモデルについては、現時点で最も最適なのはPosition Basedモデルであると言っている。
つぎに、影響力の高いラストクリックに40%の重み付け。
さらに、中間経路には20%で均等に重み付けするモデルが、経験則として理にかなっているという

ただし、結果に応じてモデルを変えて検証し、実装してきたアトリビューション分析データを元に、一番効果の高いモデリングを事前にシミュレートしながら、次のアトリビューション分析プランへつなげていくことが、今後は必要な手法なのだろうと筆者は感じた。(例えばGoogleアナリティクスはモデル比較ツール機能があり、シミュレート結果を把握することができる)
Google:ローカルサーチで意識すべき戦略
キーノートセッションでも、”モバイル”を注力テーマとして語っていたように(詳しくはこちら)「Local Digital Marketing Techniques for Multi-Location Businesses」ではGoogle調査データより、ローカルサーチ(特定地域に関する情報を検索すること)としての、スマートフォンからの誘導におけるユーザー動向を紹介し、今後さらにクロスデバイス化が進む、影響力や重要性を語っていた。

●ユーザーはローカルサーチのあとで、すぐに行動に移る
●ローカルサーチ後1日以内に、店舗を訪問するデバイスシェア
スマートフォン:50% PC/タブレット:34%
●店舗訪問前・店舗内でのユーザーの行動
3人に1人は店舗訪問の直前にスマートフォンで検索する
店舗内の15%の行動は、商品情報や価格比較についてスマートフォンで検索している
今後、企業側がローカルサーチだからこそ意識すべき戦略を、以下のトピックスとしてまとめており、さらなるローカルサーチユーザーの態度変容と、プロダクト側での進化が行われるだろう展望を語った。
●ローカルリスティングの正確性・関連性は確かなのか
●ローカライズされたコンテンツのあるページとなっているのか
●ローカルにおけるソーシャルエンゲージメント(Google+など)を意識しているのか