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Google アナリティクス がもたらす“データマネジメント”の世界

これだけは知っておきたい! DMPとしてGoogle アナリティクスを使いこなすための10の方法

3. Measurement Protocol ①
~サイト外でのアクションを計測する(email開封)~

 ユニバーサルアナリティクスになってから、Google アナリティクスへ計測データを送信するHTTP通信の仕様が提供され、任意に計測データを送信することが可能になりました。

 ウェブサイトへのアクセスデータは、サイト訪問者がページを表示し、ビーコンと呼ばれる透過GIF画像のURLが呼び出された時にGoogle アナリティクスへ送信されます。このリンク先URLのフォーマット(書式)が「Measurement Protocol」となります。難しそうに聞こえますが、下記の通り、見た目はパラメータ付URLです。

www.google-analytics.com/collect?v=1&tid=UA-XX-Y&cid [UniqueID]&t=event&ec=campaignmail&ea=open

 必須項目として

 ・tid UAで始まるGoogle アナリティクスのプロパティ番号。
 ・cid cookieに付与されるclientID。 ※従来のcookieのVisiterIDに相当するもの
 ・t  Hit Type。”PageView“や”Event“など、送信するHitの種類。

があります。簡単に言えば、送信先のプロパティ番号とcookieIDとHit Typeを定義して、あとは送信したいディメンションと値のセットをパラメータとして付与したURLをHitさせれば、Measurement ProtocolとしてGoogle アナリティクスにデータが記録されます。

 お手元のブラウザのURL窓に上記の書式に従って作成したURLを入力してEnterキーを押せば、Google アナリティクスの「リアルタイムレポート」にHitが送信されているのを確認できると思います。

emailの開封計測

 通常のサイト計測やアプリSDK計測も、すべてこの書式でGoogle アナリティクスへデータ送信されています。このMeasurement Protocolが利用できるようになったことによって、Google アナリティクスで計測できる範囲(計測対象)が格段に広がりました。

 利用が進んでいる代表的な例としては、emailの開封計測があります。HTMLメールに限られますが、メール原稿内にMeasurement Protocolで透過GIF画像(ビーコン)のURLを入れておくことで、開封時(開封して画像が読み込まれた時)にGoogle アナリティクスにデータが送信されるという仕組みです。また、メール送信システム側からも送信時にMeasurement Protocolを送信することで「送信→開封」の集計も可能になります。

 Protocolの中には訪問ユーザー固有の”cid”が定義されているので、Google アナリティクス側ではユーザー単位で「送信→開封」の結果集計が可能になり、セグメント分析やリマーケティングリスト作成への有効活用が期待されます。

4. MeasurementProtocol ②
~応用編:インポートデータとHitデータの紐付け~

 Measurement Protocolでは前述のemail開封計測のみならず、さまざまな”サイト外”での行動データ計測が可能となります。店頭でのコンバージョン計測やコールセンターへの問い合わせ、購入アクションなども技術的には可能となり、今後の運用面での導入や活用が大いに期待されています。

 Measurement Protocol活用の応用編として、少し特殊な利用アイデアを紹介しましょう。先に紹介したインポートデータとHitデータとの紐付けです。インポートされたデータセットはそのままではGoogle アナリティクスのデータと紐付けされておらず集計されません。インポート後にキーディメンションの値が共通のHitが発生した段階でそのHitデータと紐付けられ記録されます。つまり、Hitがなければインポートしたデータは利用できないということになります。

 そこで、Measurement Protocolによる仮想Hitを送信することによって、インポートデータとHitデータの紐付けを能動的に行うことが可能になると考えられます。例えば、サイトへの再訪を促したい既存会員の属性データをGoogle アナリティクスへインポートし、リマーケティング配信でアプローチしようとしても、インポート後のHitがなければリマーケティングリストへの反映はできません。

 再訪を促す広告配信をしたいのに再訪を待たなければならないというのでは話になりません。そこで“仮想Hit“によるインポートデータとの紐付けが行われれば、その記録されたデータによってリマーケティングセグメントを作成することも可能になると考えられます。

5. UserID機能 ~クロスデバイス集計を見る~

 ユニバーサルアナリティクスによって提供された新機能の中でも、注目されている機能の1つがUserID機能です。サイトのログインIDのように、サイト側から訪問者へ一意に渡せるIDがある場合に、そのIDにデバイスごとに付与されているcookieIDを名寄せして集計するという機能です。

 これによって複数デバイスでサイトを利用しているユニークなユーザーを軸に集計することができるので、「デバイス重複」状況や「デバイス経路(流入経路をデバイス軸で集計)」のデータがレポートメニューで提供されるようになりました。この機能はログインIDをGoogle アナリティクス側に渡すことができるセッションが集計対象になる仕様ですので、ログイン中のセッションのみが対象になります。今後、サイトオーディエンスデータ(サイト訪問者のデータ)をDMP的に活用していくには“サイトログイン機能”を標準的に実装していくことが、ウェブサイトのマーケティング活用では求められるかもしれません。

次のページ
6. セグメント&リマーケティングリスト ~Google アナリティクス内のデータフル活用でリストを作成する~

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この記事の著者

山浦 直宏(アユダンテ)(ヤマウラ ナオヒロ(アユダンテ))

アユダンテ株式会社 データソリューション推進統括部 統括部長
チーフエグゼクティブコンサルタント
元立教大学経営学部兼任講師

読売広告社において、事業局、営業局、デジタルビジネス局を経て、ファーストリテイリング、トランスコスモスにて一貫してデジタルマーケティングに従事。2016年よりアユダンテに勤務。 ネット広告の黎明期より一貫して、ネット広告、デジタルマーケティング畑を歩む。アクセス解析には2003年より取組み、解析・コンサルティングの実績多数。2010年よりGoogle アナリティクス360を中心としたデジタルマーケティングコ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/09/26 12:00 https://markezine.jp/article/detail/20946

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