9. キャンペーンデータインポート(費用データ)
~Google以外のキャンペーンデータのインポートでコスト分析する~
AdWords広告をGoogle アナリティクス連携で利用することで、Google アナリティクスのキャンペーンレポート画面では「インプレッション数」「クリック数」「費用(入札コスト)」という3つの指標がインポートされたレポート画面を見ることができます(レポートメニューは「集客>AdWords>キャンペーン」)。
インプレッション数、クリック数をもとにアナリティクスで取得したeコマース売上や目標値の効率を見る指標(Revenue Per Click やROAS)まで表示されるので、広告費用対効果には欠かせないレポートです。しかし、Google以外の広告キャンペーンについては当然ながらこれらデータを取得することができないため、通常ではキャンペーン全体での効果検証ができません。そこで、データインポート機能の1つとして「費用データインポート」が用意されています。
名前は“費用データ“ですが、実際にインポートできるデータは「インプレッション数」「クリック数」「費用」となっており、AdWords連携によって拡張される指標と同じデータが揃うことになります。キャンペーン全体をキャンペーン名軸でROAS(広告費用対効果)評価することで、媒体予算配分の参考にしたり、キャンペーン中のリマーケティング施策のシナリオプランニングに役立てることも可能になります。

また、最終的にはGoogle アナリティクスの「アトリビューション>モデル比較ツール」レポートなどでチャネルやキャンペーンごとの広告接点による貢献度の違いを変化率で確認し、ディスプレイ広告による起点創出やリマーケティング広告によるアシスト接点創出をプランニングできるようになります。
Google アナリティクスにキャンペーンデータを統合することによって、キャンペーン全体最適による利益貢献を行うプラットフォームとして機能することになります。
10. BigQuery連携(Google アナリティクス プレミアムのみ)
~ローデータ活用のプロセス~
これまでGoogle アナリティクスにはいかに多様なデータ取得やインポート手段があるかを紹介してきましたが、最後にご紹介するのはGoogle アナリティクスのローデータをエクスポートする機能です。
Google アナリティクスのスタンダード版には、レポートデータを出力する機能はありますが、ローデータ(Hitデータ)を利用する場合はGoogle アナリティクス プレミアムの契約が必要になります。Google アナリティクスから1日に1回、前日分のセッション単位のHitデータが「BigQuery」というGoogleのクラウドサービスに出力されます(BigQueryについてはこちらを参照)。
ここでは、エクスポートしたローデータとCRMデータを突き合わせて、Google アナリティクスにインポートするデータセットを作成する、などの利用方法が考えられます。また、外部のプライベートDMPへアナリティクスのローデータを渡して、より高度な分析に役立てることもできます。Google アナリティクスのDMP的活用をよりスケールさせる方法としてなくてはならない手段と言えます。
まとめ
~幅広い広告ネットワークへの効率的活用に欠かせない“GA-DMP”~
広告の配信、ターゲティングとその運用には、多様なデータとの連携が必要不可欠になりました。市場には同様の仕組みを構築できる様々な機能のツールが投入されており、それぞれに強みをもって利用されています。
Google アナリティクスは“アクセス解析ツール”としての機能を最大限生かし、さらにDMPとしての機能拡張を果たしているという点では傑出したツールであると言えます。施策連動面においても特定のネットワークに依存することなく、幅広い“大海”に向けた配信を可能にしている拡張性も評価できる点です。
Google アナリティクスのDMP的活用は無料版においても十分利用可能ですが、より拡張性をもって活用範囲をスケールさせたいのであればGoogle アナリティクス プレミアムの利用をすることでDMPとしての利用価値は増し、ビジネス収益により貢献できるでしょう。最後のポイントとしては、このツールのパフォーマンスを最短時間で最大に引き出すために、Google アナリティクスに熟知し、広告施策に卓越したワンストップなパートナーを選定することが鍵となるでしょう。