広告費換算額は約5,700万円/広告以外からの流入は約7割
告知は、プレスリリースなどの広報活動と広告の2本柱にしました。映像ニュースを配信する「ヤフー映像トピックス」で掲載されたこともあり、KPIは20万ビューでしたが、公開6日にして達成。現在は210万ビューを獲得しております。広告以外からの流入は67%、広告経由は33%でした。

ポイントはプレスリリースです。今回PRしたいのは新商品ではなく動画なので、動画組込み型リリースを配信し、187件の掲載(うち、動画埋め込み記事は98件)を頂きました。その後、ソーシャルトレンドニュースの掲載でSNSでも拡散。ヤフー映像トピックスでの掲載もあり、広告費換算額は約5,700万円と、ごく稀に見る良い数字となりました。通常10円以上する広告(True View)単価も、今回は1.2円まで下がりました。
その後、6月中旬に製品発表会をし、7月初旬に製品を発売しました。発売と同時に、テレビCM用の動画をYouTubeとキュレーションマガジン「Antenna」の動画広告枠で公開。KPIは100万ビューに設定しましたが、結果としては140万ビューを獲得、フル動画を見たユーザーの約45%が動画を最後まで視聴しており、一定のユーザーには支持を頂けたと考えています。

これらの取組は、製品認知にもよい効果をもたらしました。「isai FL」の認知度は、テレビCMのみよりもテレビCMとAntenna両方の接触者の方が15%以上高い、という結果が出ました。また双方のメディアの接触者は、いずれかのみの接触者に比べ、「新鮮な」「親しみやすい」「デザイン/センスがよい」「個性的である」「インパクトがある」「かわいい」など、LGが伝えたかったイメージ項目においてポジティブな反応が出たのです。
既存のマーケティングの枠組みにとらわれない、チャレンジ精神を
これら一連の取組を経て感じたのは、動画広告は企業・ブランドにとって新しい選択肢のひとつだということです。使わないのはもったいない。常に新しい情報にアンテナを張り、知識として取り入れていく。バイラルなどの新しい手法においては、データや既存事例にとらわれすぎず、トレンドやブームを最大限に活用できる方法を考えることが大切だと考えます。

そのためには、他の部署や担当との連携が有効です。今回私が行ったのは、PRをマーケティングに置き換える作業です。例えばバイラルムービーには大きな費用をかけられませんから、告知には広報的な手法を活用しました。プレスリリースの配信は、広報部門が普段行っている作業。これをマーケッターの視点で活用したに過ぎません。またテレビCM用の動画は、ある程度のクオリティがある媒体で公開することで、ブランドの格を落とさない工夫もしました。
マーケティングの枠組みに捉われるのではなく、新しいものにチャレンジすることが大切。そのためには、まずは仲が良い人とコワークしてみる、仕事内容を教えてもらうなどのコミュニケーションが有効かもしれません。