主人公は様々なパンツ、ワコールの不思議な企画
ワコールの「わたしはパンツ」は、8月2日「パンツの日」に合わせて進められた企画。パンツの日 特別企画と銘打って、自社の情報コンテンツ「WACOAL BODY BOOK」および、女性向けWEBマガジン「MY LOHAS」にパンツが主人公の小説を掲載。また、一般にも作品を募集した。
ともすればネタ企画だと思われてしまいそうなこの取り組み。その狙いは一体何なのだろうか?キャンペーンを担当したワコールの北見氏に話を聞いた。
「パンツ小説」の裏にある2つの目的
今回の企画には自社メディアを盛り上げることと、パンツの日というイベントを盛り上げることという、2軸の目的があった。同社は2013年4月に開設した情報サイト「WACOAL BODY BOOK(ワコール ボディ ブック)」を運営している。北見氏は、サイトの訪問者数を増やしたいと考えていた。「サイトの運用をして約1年。記事もたまってきたので、サイトの活性化を本格的に行うには丁度いい時期です」
しかし、いつ仕掛けるかという課題もあったという。「もちろん、いつでもできます。でも、どうせなら全社的に施策を行うタイミングの方が良いと思ったんです。そこで8月2日、パンツの日に合わせたキャンペーンをすることにしました」
ワコールは毎年、8月2日をパンツの日として販売を促すイベントやキャンペーンを行っている。例えば2014年には「パンツフラワー」という、パンツをギフトにするという企画が実施された。「これまでパンツの日は、店舗などリアルでの取り組みが中心でした。ネット上での盛り上がりを創出する役割を、“WACOAL BODY BOOKに持たせられないか”と考えたんです」と北見氏。こうして、6月末から「私はパンツ」の企画が具体的に進み始めた。
WACOAL BODY BOOKは、既存のファン以外の取り込みや接触を主な目的としている。そのためパンツの日に行う企画も、これまでワコールには興味を示さなかった層に届ける必要がある。「どんな人がサイトのファンになり得るかを考えるなかで、“WEBコンテンツは文章主体でできている”という基本に立ち返えりました。すると“文章を読むのを好きな人”にファンになってもらえる施策が必要です。さらには"文章を書くのが好きな人”な人にまでリーチしたい」と北見氏。読むことが好きな人は長い読者になってもらえる可能性が高い。また、書くことが好きな人はインフルエンサーにとなる可能性があるというわけだ。