カントリーマネージャーに狩野氏を迎え、日本市場で本格展開
― Kruxは、狩野昌央氏をカントリーマネージャーとしてこれから日本での事業を本格化するわけですが、いま海外からさまざまなマーケティング・テクノロジー企業が進出しています。
チャベス 確かにそういう状況はあります。彼らも非常に優れたテクノロジーを持っています。新しいマインドセットを持って、パートナーとともに日本のお客さまのためにそのバリューをどんどん押し上げていくことになるでしょう。

― データ活用による収益向上については政府も注目しており、それを後押しするためにも個人情報保護法改正の段階に入っています。そうした状況についてはどのように見ていますか?
チャベス Kruxは個人情報のやり取りをするビジネスではありませんが、各国のルールに対応するツールを作って展開していく部分ではエキスパートです。個人保護法の改正については承知していますが、我々が理解するためにもっと情報が必要だと思っている段階です。Kruxはアメリカだけではなくてヨーロッパ各国でビジネスをしています。ヨーロッパは日本と同じように、個人情報の扱いが非常に厳しい。ヨーロッパでの経験を活かして、日本を含めほかのどの国でもやっていけるのではないかと思っています。
― 広告領域に関して言うと、米国ではプライベート・エクスチェンジへのシフトも始まっています。
チャベス 先ほど説明した「エクステンション」の領域で、プライベート・エクスチェンジに関しては米国でもしっかりサポートしています。オープンなオークションもプライベート・エクスチェンジも両方サポートして、それぞれのメリットを提供しています。
データ保護がKruxのはじまりだった
― Kruxが提供する機能に「Data Sentry」というものがありますが、この機能を高く評価する声もあるので、くわしく紹介していただけますか?
チャベス 実はKruxにとって「Data Sentry」は最初のプロダクトです。メディア企業が、アドネットワークやアドエクスチェンジによってデータを盗まれてしまうことことがないよう検知することができます。サードパーティが何回ぐらいWebサイトにアクセスしてデータを抜き取ろうとしているのか、それが起きている場所や、どれぐらいのデータ収集が何回ぐらいなされたかも含めてデータを提供することが可能です。

一番重要なのは、「どうやってそこに入り込んだか」ということ。盗み取ろうとしてる場所から連鎖して、どういうつながりでそこへ入ったのか。そこを検知するには非常に洗練されたテクノロジーが必要です。Data Sentryはパブリッシャーのデータが外部に漏れているということを理解してもらうために提供したプロダクトでもあるのです。問題がないデータの収集はいいのですが、オーソライズされてないデータの収集が起きたときはどうするのか。米国では、こうしたことも含めて契約を見直すお客さまも出てきています。
― 昨年CCIが主催したセミナーで、KruxのDMPを採用しているNews Corp Australiaの担当者がこの機能を高く評価していたのが印象的でした。
チャベス 初期の段階でここに投資をしてよかったと思っています。「データ収集の中には、問題があるものもありますよ」ということを周知できましたし、データのガバナンスに関してKruxがコミットしていることを市場に知らしめることができたのです。
― 最後に、MarkeZine読者と日本の業界関係者へ向けて、メッセージをお願いします。
チャベス データはあなたのものです。企業やパブリッシャーがしっかり収益を上げることができるように、しっかりと保護・管理してください。
― ありがとうございました。