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世界で戦える日本人マーケターを!「アドテック関西2014」レポート

ROIがあがる最適なマーケティング方法とは?バニラエア/リクルートが成功・失敗事例から導き出した知見

リクルートのROIとKPIの考え方

 ここでモデレータの友澤氏は、「ROIを考える場合に、どのようなKPIを置いていますか?」とたずねた。これに対して、リクルートの渡部氏は「テレビCMに関しては、施策を打つ際にとりたい認知を設定します。例えばホットペッパービューティーであれば『ネットでネイルサロンを予約する』ことを知っている、とか。ブランディング目的なので、その認知率を何%あげられるかをゴールとして、それに基づいた設計をしています」と述べる。

 「一方でウェブでの実集客に関しては、ROIはCPAでみています。リクルートでは、外部集客と内部集客に分けて考えます。外部集客は、リスティングやディスプレイといったいわゆる広告です。KPIは外部集客数とし、そこに対してかかっているコストでCPAを算出します。また内部集客というのは、要はリピートのことです。既存顧客のアクションをどれだけつくることができるのか。KPIはアクション数、そしてそれにかかっているプロモーションコストをもとに、CPAを算出しています」(渡部氏)

リーチとターゲティングを両方同時に実現する/バニラエアの成功事例

 ではここからは、具体的な事例に迫っていく。まずはバニラエアの成功事例だ。バニラエアは、2013年11月に社名変更により誕生した、成田空港を起点とするLCC(ローコストキャリア)だ。設立間もない頃は認知度が低く、2014年4~5月は搭乗率が55.1%と悲惨な状況だったという。

 バニラエア 営業部 部長の近藤寛之氏は「まずは多くの方に『バニラエア』を知っていただかなくてはいけない。それと同時に、実績を作っていく必要もあります。リーチとターゲティングは、どちらかではなく、両方同時に追っていく命題を課されています」と語る。

 LCCのビジネスモデルはオンライン販売が基本だ。だからこそ、認知度が低いことがダイレクトに売上に影響を与える。また予約と搭乗日が異なるという業界の特性上、プロモーションの効果が表れるまでに2~3か月かかるという。このような課題に向き合っていた時に、バニラエアはヤフーの協力を仰ぎ、リーチしたいターゲットの設定から行っていった。

●優良顧客の発見
パネル調査x広告配信ログxサイト分析のクロス集計により、データに基づいた独自指標を可視化
●優良顧客に対するマーケティング施策の実行
独自指標が高くなりそうなユーザー(潜在優良顧客)に対し、Yahoo!プレミアムDSPを用いた施策を実行し、自社サイトへ誘導
●ブランド認知度x売上のWリフト
潜在優良顧客に絞ってマーケティング施策を行うことで、効率的にブランド認知を上げ、新規獲得を増やして売上に貢献

 その結果、2014年8~9月の搭乗率は89.3%にまで改善。さらに施策ターゲットのブランド認知度は91.3%にも上った。(事例詳細はこちらの記事をご参考に

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ビッグデータ分析を活かした施策で売上3割減/失敗からリクルートが導き出した知見

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/12/26 14:00 https://markezine.jp/article/detail/21469

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