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【短期集中連載】マーケティングメトリックス研究所所長・豊澤栄治の「アイドルとデータ分析」

アイドル市場における「BABYMETAL」のポジショニングを主成分分析で検証する【最終回】


アルバムランキング、検索ボリューム、「いいね!」

 先ほどは検索ボリュームが跳ね上がったポイントを確認しました。同じグラフに1stアルバム「BABYMETAL」のランキングを重ね合せてみましょう。

(Googleトレンド、you大樹をもとに筆者作成)
(Googleトレンド、you大樹をもとに筆者作成)

 最高ランクは3/10の4位です。検索ボリュームと歩調を合わせるようにアルバムランキングが上下している点は見逃せません。最低ランクでは197位まで順位を下げましたが、その後再び上昇軌道にのっています。

 続いて、検索ボリュームとアルバムランキングの関係を散布図で確認します。

検索ボリュームとアルバムランキングの関係(ランキングは軸の上下を反転させています)
検索ボリュームとアルバムランキングの関係(ランキングは軸の上下を反転させています)

 アルバム発売後のこれまでの期間においては、検索ボリュームが1単位増加するとランキングが1.72上昇するという傾向が確認できています。また、相関係数は-0.58となかなか高い値を示しています。この背景を考えてみましょう!

海外での活躍を偶然知ってGoogle先生で検索しまくる

 ⇒ギミチョコを始めとした楽曲をYoutubeで聴きまくる
 ⇒アルバムをあっさりと購入(ここまで1週間以内)
 ⇒ファンクラブに加入
 ⇒ファンクラブ限定のライブDVD購入
 ⇒ライブに参戦…
   ⇒①昔、X Japanが好きだった人に口コミで広める
   ⇒②友人が遊びに来た時にDVDを強制的に見せる

 絵に描いたようなマーケティングストーリーですね。実はこれ、私の話です。①、②のインフルエンサーとしての役割も担ってしまい、同い年の友人が2人をメタルレジスタンスの道に引き入れました(キリッ

 きっと同じような人が大勢存在した結果として、検索ボリュームとアルバムランキングとの相関が強く表れたのでしょう。

メタルレジスタンスの道のり

 ライブで非常に完成度の高いパフォーマンスを披露しているBABYMETALですが、これまでどのような公演活動を行ってきたのでしょうか?彼女たちのこれまでの軌跡を見ていきましょう。まずは、月別の公演回数です。

月別の公演回数(Wikipediaをもとに筆者作成)
月別の公演回数(Wikipediaをもとに筆者作成)

 月別の公演比率は7月、8月に集中しています。彼女たちの世を忍ぶ仮の姿は学生なので、特に昨年は夏休みに公演活動を多めにした、また、そもそも夏はフェスなどのイベントが多いことが関係したのでしょう。公演の総数は2013年が25回、2014年が26回となっています。人気が出てからも大きく増えていないことから、学業とのバランスをとった結果だと推測されます。

 次に、公演の種別ごとに見ていきます。

タイプ別公演回数、(Wikipediaをもとに筆者作成)※さくら学院での公演やGAGAの前座、Sonisphere等のフェス出演については「フェス等」としました。

タイプ別公演回数(Wikipediaをもとに筆者作成)
※さくら学院での公演やGAGA様の前座、Sonisphere等のフェス出演については「フェス等」としました。

 2012年と2013年を比較すると、公演回数全体が増加しています(合計16→25回)が、国内の公演回数が多い点では傾向は変わっていません。ところが、2013年と2014年では大きな変化がありました。最も多かった国内フェスなどの出演回数を減らす一方で、以下のような変化がありました。

①国内での単独公演を増やした。
②海外での公演活動を非常に活発にした。

 特に海外公演の比率は、2013年の約15%から2014年は48%と大幅に増加しています。こうした推移から、BABYMETALの世界観を思う存分展開できるライブ公演を意識的にコントロールしていることがわかります。続いて、その音楽と世界観がどんな要素から成り立っているのかに踏み込んでいきます!

次のページ
X Japanに対するリスペクト

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豊澤 栄治(トヨサワ エイジ)

株式会社ファンコミュニケーションズ サービス開発部 情報科学技術研究所 所長

横浜国立大学経営学部、一橋大学大学院国際企業戦略研究科卒

SPSS Japan、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)、外資系運用会社(Amundi Japan)での経験を活かし、金融の分析ノウハウをマーケティ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/02/15 18:28 https://markezine.jp/article/detail/21801

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