フォーチュンクッキー的社員総会
こんにちは、ロックオン マーケティングメトリックス研究所 所長の豊澤です。今年も年に一度の社員総会が終わりました。社員総会と言えば出し物ですね。出し物と言えば………
「フォーチュンクッキー」ですね、一択です。
そう、サイバーエージェントさんをはじめ、美人社員をフィーチャーした動画を公開したことで話題となった、AKB48のあの曲です。下の写真で雰囲気が伝わるかと思いますが、ロックオンも全社一丸となって踊ってみました。もちろん全員「勝負服」着用です。「でもフォーチュンクッキーってネタ的にちょっと古くない?」とか言っちゃ、ダメ、ゼッタイ。アラフォー世代にはまだまだイケます(心のプラカードはもう少し先です)。
隠していたわけではないのですが、私、実はAKB48グループの大ファンです(乃木坂46の深川さん推し)。AKB48グループに限らず、森高千里さんからBABYMETALさんに至るまで、アイドルが大好き。そして音楽が大好きです。
マーケティングメトリックス研究所 所長として多忙な日々を過ごしていた私は、あるとき、息抜きでAKBのシングル売上データを見ていました。そして、彼女たちの活動にある種の法則性があるのではないかという思いにとらわれたのです。AKB48は、秋元康氏をはじめとするプロデューサーやスタッフが用意した周到な計画のもとにさまざまな仕掛けを展開しているグループであることはよく知られています。それを、自分で検証してみたい!
隣の同僚から「何やってるんですか?豊澤さん」という冷たい視線を感じつつ、ネットを検索しまくり、仮説を立て、検証を繰り返した結果、「なるほど!」と自分でも納得できる結論に達しました。
というわけで今回は、心躍るデータ分析の一例として、AKB48のシングル売上枚数についての分析についてお届けしたいと思います。
AKB48の検索ボリュームとシングル売上枚数
それではさっそく、ネット上での盛り上がり具合とシングルの売上枚数を見てみましょう。以下のグラフをご覧ください。
右軸のグリーンの棒グラフは、その日に発売されたシングルの累計売上枚数を表しています。つまり、その日に発売されたシングルが、発売日以降どれだけどれだけ売れたかということを表しています。左軸のブルーの折れ線グラフは、Googleトレンドで調べたAKB48の検索ボリュームです。シングルの累計売上枚数は2011年以降、安定的に100万枚を超えています。さすがAKB48ですね。
では、このグラフから何が読み取れるのか。主なポイントは以下のとおりです。
●発売日の間隔が規則的
⇒戦略的にコントロールされているのでは?
●シングルの発売日前後で検索ボリュームも大きくなっている
⇒ブーム感の熟成に成功?
こんなところでしょうか。この点について検証していきたいと思います。
AKB48のザックリ年間スケジュール
AKB48と言えば、「選抜総選挙」と「じゃんけん大会」です。この二大イベントは同グループを語るときに欠かすことはできません。これまでの開催日を確認すると総選挙は第1回を除いて6月開催、じゃんけん大会は9月開催となっています。
そして、2009年4月以降、シングルCDが何月にリリースされたのかを集計したのが以下のグラフです。リリースは2月、5月、8月、10月、12月に集中しているのがわかると思います(ちなみに2010年以降のシングルCDは2月、5月、8月、10月、12月のみのリリースとなっています)。
これらのデータからも「AKB48はあらかじめ年間カレンダーを作成し、CDリリースやイベントを戦略的に展開している」ことは明らかです。続いて、楽曲にまで踏み込んで検証してみましょう。
AKB48年間カレンダーとシングル曲
以下は2014年のAKB48のシングルリリースとイベントの開催日をまとめた表になります。シングルCDリリースのはざまにある、6月に総選挙、9月にじゃんけん大会を開催しています。
こうして曲名を並べてみると、季節ごとにテーマが設定されているのが見て取れます。
2月:人生の節目
5月:夏、バカンス、水着!
8月:王道 ←総選挙1位がセンター
10月・12月:新路線! ←12月はじゃんけん大会1位がセンター
(あくまで私見です。)
では、最初にお見せしたグラフをあらためて確認してみましょう。シングルCD発売、総選挙、じゃんけん大会を組み合わせて、常にAKB48から発信されるニュースを途切れないようにしている……そう思えてきませんか? これによって一年中、AKB48が盛り上がっている感をかもし出しているように感じます(ただし、2014/5/25は、握手会での傷害事件が発生したことも検索が急増した一因と考えられます)。
ちなみに検索ボリュームのピークは、前田敦子さんが二度目の栄冠に輝いた総選挙でした。「私のことは嫌いでも……」の名言が生まれたときでもあります。