「騙された」と思わせないネイティブアド活用のポイント
しなしながら、コンテンツとの相性がよいネイティブアドだからこそ、その活用において「ユーザーが騙された」と思わせないように設計しなければなりません。ユーザーが騙されたと思うポイントは、大きく2つあげられます。
一つは、広告であることに気づかずクリックをしてしまった時です。それを避けるには、広告であることがわかりやすく明記されていることが大切で、この点についてJIAAのネイティブアド研究会でも広告審査分科会で議論を進めています。
もう一つは、「インフィード型」や「レコメンデーションウィジェット型」のようなコンテンツであることを期待させるような誘導枠であるにも関わらず、商品購入ページや商品内容をプッシュするだけのLP、アプリストアなどコンテンツ性の乏しい遷移先に遷移した際に、ユーザーは騙されたと思う可能性が高まります。これを避けるためには、コンテンツを用意することが一番の近道です。
ユーザーの期待を裏切らない“コンテンツ型ネイティブアド”
ではユーザーの期待に沿ったコンテンツとは、いったいどのようなものなのでしょうか?筆者の所属企業で提供するレコメンデーションウィジェット型のネイティブアドネットワーク「popIn Discovery」で配信されるコンテンツは、大きく以下の3分野に分類されます。
1、オウンドメディア
オウンドメディアといっても、企業・サービス紹介が掲載されたWEBサイトではありません。企業イメージやサービスに関連しながらも、ユーザーの興味を引くコンテンツを継続的に発信するような、企業が主体となって運営する情報メディアです。
2、タイアップ記事
新聞の企画広告と同じように、記事コンテンツを提供するWEBメディアではタイアップ記事を商品として広告主に販売しています。実際のところ、オウンドメディアで継続的にユーザーに刺さるコンテンツを制作し、発信するのはハードルが高いです。タイアップ記事であればメディアのブランドやノウハウを活かした、ユーザーの興味を引くコンテンツを制作することが可能です。またグローバルでは、ForbesのBrand Voiceなどコンテンツ制作自体は広告主が行い、メディアに投稿する形式も増えています。
3、第三者プラットフォーム
オウンドメディアとタイアップ記事以外のパターンとして、YouTubeの企業アカウント動画など、第三者プラットフォーム上のコンテンツを配信するケースがあります。
しかしながら上記のケースにおいても、コンテンツを制作すれば自然とユーザーが集まり見てくれるわけではありません。前述の米CMIの定義でも「コンテンツマーケティングとは、適切で有益なコンテンツを制作・ディストリビュートするテクニック」とされているように、制作だけではなくディストリビューションもセットで考える必要があります。次回は、ネイティブアドを活用した、コンテンツディストリビューション戦略について解説していきます。
