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ゲームアプリ業界で注目される「リテンションマーケティング」、その効果は?

 ゲームアプリ業界のマーケティング手法として注目される「リテンションマーケティング」をご存知ですか? 休眠してしまったユーザーに復帰を促す施策のことです。今回は、効果的なリテンションを行うポイントと、気になる効果について紹介します。本記事は、マーケティングにおけるモバイル・タブレット活用情報をお伝えする「D2Cスマイル出張版」です。

ゲームアプリ業界の注目ワード

 今、ゲームアプリ業界でホットなキーワードがあります。それは、「リテンション」です。リテンション(Retention)とは、維持・保持といった意味合いの言葉。「リテンションマーケティング」は、既存顧客との関係を維持していくためのマーケティング活動全般を指します。アプリマーケティング領域において、過去にアプリをダウンロードして使わなくなった、またはアンインストールをしてしまったユーザーを呼び起こすマーケティング手法として注目を浴びています。

 なぜリテンションが重要なのでしょうか? そこには、ゲームアプリの普及が関係しています。現在、ゲームアプリの広告に接触する機会がたくさんあると思います。TVではアプリのCMが流れ、スマホを使っているときにはバナー広告などが目に入ります。それによりゲームアプリのダウンロード数は全体的に大幅に増えています。

 有名なタイトルでは、ガンホーの『パズル&ドラゴンズ』が3,300万ダウンロード、コロプラの『魔法使いと黒猫のウィズ』が3,200万ダウンロード、ミクシーの『モンスターストライク』が2,000万ダウンロードなどゲームアプリのダウンロード数が大幅に伸びています。※ダウンロード数は、2月3日時点の各社HPで公表数を参照。

 ダウンロード数が数百万を超えてくると、新規ユーザーを獲得することが難しくなってきます。また、新規ユーザーを獲得できたとしても獲得効率(広告費用対効果)が悪くなるため、このフェーズに入ったゲーム各社はプロモーションに頭を悩ませています。新規獲得の難化と非効率化から生まれたものが、リテンションという考えです。過去にゲームで遊んでくれていたユーザーを呼び起こす(休眠復帰)を促すリテンションは、新規ユーザーにアプリをダウンロードしてもらうことと、同等の価値があると考えられているのです。

効率的なリテンションを実現する3つのポイント

 一度利用を止めてしまったユーザーは、ただ待っていても戻ってきてくれません。ユーザーに戻ってきてもらうためには、ユーザーに再度気付きを与える必要があります。つまり、「昔遊んでたゲームにこんなのあったな!」とか、「このゲーム、もう一回遊んでみよう!」と思ってもらう必要があるのです。

 事実、D2C Rが行ったユーザアンケート調査では、平均で10~20%程度のユーザーは広告経由でリテンションしている結果が出ています。ユーザーの目を再度引くことができれば、再びゲームに戻ってきてくれる可能性があると言えます。

過去に自分が使っていたアプリについて 広告を見てまた使用し始めたことはあるか
過去に使っていたアプリの広告を見て、使用を再開したことはあるか

 では、効率的にリテンションを行うにはどのようにすべきでしょうか?大きく3つのポイントがあります。

  1. 一度ダウンロードしたユーザーにだけ広告を配信する
  2. リテンション向けのクリエイティブを使用する
  3. ゲーム運営・施策と連動させてリテンションさせる

ポイント1:一度ダウンロードしたユーザーにだけ広告を配信する

 当然のことながら、まだアプリをダウンロードしたことのないユーザーにリテンションで広告を配信しても無駄になってしまいます。そのため、新規ユーザー向けとリテンション向けで広告を分けて考える必要があります。実施方法は様々ありますが、アプリをダウンロードした際のIDを元にターゲティングを行う手法などが考えられます。

ポイント2:リテンション向けのクリエイティブを使用する。

 ゲーム広告のクリエイティブといえば、ゲームの面白さなどを伝えていることが多いでしょう。しかし、新規ユーザー向けはそれでも良いですが、リテンションさせたいユーザーに対しては、同じ方法論は通用しません。なぜなら、既にゲーム内容を理解しているからです。そこで、ゲーム性ではなくインセンティブや新規追加機能を訴求するクリエイティブを用いることが重要です。新ユニット追加、既存キャラの新進化、新ステージ追加、新機能実装、アイテムプレゼントなどが有効だと考えられます。

ポイント3:ゲーム運営・施策と連動させてリテンションさせる

 リテンション対象のユーザーがゲームの利用を止めた理由は様々です。途中でゲームに行き詰まったまま放置されているかもしれません。チュートリアル(ゲーム説明)が長くて、ゲーム自体をあまり進めていない可能性もあります。そのため、ユーザーのレベルに合わせてアイテムを配布したり、ゲーム内イベントを実施したり、アニメとコラボしたりするなど、ゲーム施策とマーケティング施策を合わせて実施することが重要になります。

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D2Cスマイル編集部(ディーツーシー スマイル ヘンシュウブ)

 株式会社D2Cが運営する、デジタルマーケティングの総合オピニオンサイトです。D2Cの多岐に渡る事業担当者の知見を元に情報発信を行っています。D2Cスマイルはこちら

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/02/23 11:00 https://markezine.jp/article/detail/21923

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