Googleは、2月26日、「インターネットの日本経済への貢献に関する調査分析」を発表した。本調査では、ビジネスの種類や産業に関わらず、インターネットが日本経済全体にどのように貢献しているかを広く検討している。
今回の調査では、特にスマートフォンの台頭から生まれたビジネス領域を新しく「アプリ経済」(App Economy)と定義し、同領域の日本経済への貢献について詳しく分析した。その結果、2013年度における日本のアプリ経済の市場規模は約8,200億円にのぼり、2014年時点で56.5万人分の雇用を生み出していることが明らかになった。また、2011~2013年度にかけて、年平均成長率90%という高い数値を示した。
2011年に発表したインターネットGDPは、狭義のインターネット産業の経済貢献を数値化したものであったが、当時19.2兆円だったインターネットGDPが、2014年度には約23兆円に伸長。日本を代表する輸送用機械器具製造業(自動車製造業等)を超え、運輸業に相当する規模にまで成長した。
インターネット産業単体での分析に加え、他産業への貢献においては、クラウドサービス等、インターネットを利用した企業で、約9兆円にあたる生産性の向上を達成するとともに、店舗での消費の約22%にインターネット経由の情報収集が寄与していることもわかった。日本経済全体の成長には、その産業規模や成長性に限らず、インターネットの活用が不可欠であることが明らかに。
同様に、世界でも「アプリ経済」や「モバイル・インターネット経済」が、経済成長を支えるものとして注目されつつある。2015年2月10日に、ロンドンで発表されたボストン コンサルティング グループの報告書では、消費者がファーストフードよりも、モバイルにお金を使うようになっていることや、さらに、モバイルを利用することによって、デバイス本体の価格を上回る大きな経済的価値を得ており、金額にして総額350兆円規模にのぼることが報告されている。
【調査概要】
調査名:「インターネットの日本経済への貢献に関する調査分析」
調査目的:どのようなビジネスを行う上でも必要不可欠となったインターネットの日本経済への貢献について広く検討を行う
検討の範囲および手法:インターネット産業の成長による経済的効果、および各産業におけるインターネット利用の経済的効果について、定量的・定性的な検討を行った。定量的な効果の検討においては、各種の統計資料に加え、独自のユーザーアンケート(就業者、消費者)を実施
調査及び分析概要:グーグルが野村総合研究所に委託して実施
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