自社メディアを独立採算で運営 LIGの柱のひとつに
── ちなみに、朽木編集長はどのようなご経歴なのでしょうか。
元医学部のライターです。
── 医学部ご出身とは意外です。
ええ。大学は医学部に通っていたのですが、在学中にライターの仕事をしておりました。LIGにも記事を寄稿していました。
医者になるつもりでしたが、国家試験を控えたある日「医者にはなりたくない」と突然思いまして。Facebookに「私に社会保障をください」と投稿したら、LIGの方からお声掛けを頂きました。
── 入社の経緯もコンテンツになりそうですね…。ちなみに現在、コンテンツはどんな体制で制作されていますか。
当社はもともとWeb制作会社ですが、現在はコンテンツ制作を行う部門を「メディア事業部」として独立させています。独立させたのは13年の3月で、メディア戦略を意識し始めたころです。事業につながるようなキーワードを狙ったコンテンツ作成を始めたのもこの頃です。お陰で「Web制作会社」というキーワードでは上位に表示されるようになりました。
メディア事業に関わるスタッフは、15名おりまして、まず自社のコンテンツを編集するのが3名。70名の社員が書いた記事を編集します。ほかに面白コンテンツを制作するメンバーが3名、そしてADチームというマネタイズ担当が4名います。ここまでの統括を私がやらせて頂いています。残り5名は外部メディアを運用するチームですね(※今春から体制変更予定)。
── マネタイズ担当もいるんですね。
そうなんです。メディア事業部は独立採算性なのです。もともと「自社のファンを作るため」と始めたブログですが、もともとベンチャーで「自分たちの給料は自分で稼ぐ」という意識も強いため、自然とそうなりました。現在は記事広告などで収入を得ており、Web制作事業とメディア事業が「両輪」と言えるくらいに成長しました。
── 収益も出ているし、ブログも月間400万PVも稼いでいる。オウンドメディアとしては「成功」と言えると思いますが、成功要因をどう分析されますか。
何のためにやるのか、を間違えないことです。実はコンテンツ制作ってとっても地味で、手ごたえも薄いんですよ。それを耐え忍ぶには、明確な目的が必要なんです。
達成度を測るため、目標指標も設定しました。まずはWebサイトを見てもらおう、ということで「PV数」。でも、見てもらうだけでなく自社の事業にもつなげたかったので、のちに「お問い合わせ数」「採用の応募数」など複数の指標を設定しました。指標は複数ある方が分析しやすいです。
── メディア事業は独立採算性だとおっしゃいましたが、黒字化までどのくらいの期間が?
1年以上かかりました。でも、もしこれからオウンドメディアを立ち上げようとされる方々には、声を大にしていいたい。マネタイズを目的にしたら苦しいです。先も申し上げた通りとても地味な作業の繰り返しですから、事業としては極めて非効率です。
── 一筋縄ではいかないのですね。
ええ。でも少しフォローするなら、私は「メディアの目的はピボットしてよい」と思っています。私たちも、もともと自社PRのためにブログをはじめ、のちにメディア化を意識し、収益化に至りました。自社の方向性や成長のフェーズによって、メディアの役割も変わっていいと思います。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
            