博報堂DYホールディングスのグループ横断型組織「ショッパーマーケティングセンター」は博報堂研究開発局と協働で、ショッパー(顧客)向けのさまざまな施策が継続購入に及ぼす影響を調査する「CRM施策受容性調査」を実施。10業種で実施するCRM施策を41に分類し、その施策が及ぼす影響を調査し、代表的な14の施策を抜粋した分析結果を公開した。
① 施策の体験率
「クーポン」「ポイント」「マイル」など経済的実利を得られる施策が業種を問わず体験率が⾼い⼀⽅で、航空会社、旅⾏会社、ネット通販などのサービス業を中⼼に、発注を簡便にする顧客サービスが広く普及している。
<業種の特徴が現れている施策>
[スーパー/ドラッグ]「商品購⼊により企業から貰えるポイント」…体験率:78.6%
[ファーストフード]「次回割引購⼊に使えるクーポン」…体験率:89.0%
[旅⾏]「会員だけのネットを通じた商品発注・支払い手続き」…体験率:35.6%
② 施策の支持率…全体支持率/および体験者中の支持率
「ポイント」などの経済的利益をもたらす施策は全般に、体験率だけでなく支持率も高く、顧客に好意をもって受け⼊れられている。また航空会社の「上位客優遇策」のように、体験率は低くてもその中での支持率が⾼い施策が業種ごとの特⾊として⾒受けられた。
<業種の特徴が現れている施策>
[スーパー/ドラッグ]「商品購⼊により企業から貰えるポイント」…体験者中の支持率:81.1%
[航空]「上位顧客に対する特別な施設利⽤などの取り計らい」…体験者中の支持率:81.6%
[旅⾏]「馴染みの担当者による対応」…体験者中の支持率:77.8%
③ 施策の将来期待率…未体験の施策も含めた将来への期待
「クーポン」「ポイント付与」などの経済的特典施策は全般に、現状の【体験率】が高い上に、顧客側の【将来期待率】はさらに高く、企業側のオファー次第では、さらに体験者が増加する可能性が高い。一方で、購入履歴などに応じた「自分用にカスタマイズされたサービス」は、全般に体験率が低く普及はこれからであるが、小売流通やサービス業においては企業からオファーさえあれば高い支持を得られるポテンシャルを有している。
④ 施策を体験するのに用いたデバイス
施策を体験するのに用いられるデバイスは、多くの業種、多くの施策でPCが中心となっているが、日用品流通が行う来店を促す施策に関しては、スマホを通じた施策体験者がPCと拮抗している。またファーストフードでは大半の施策が、スマートフォンを入口として体験されている。
<業種の特徴が現れているデバイス>
[スーパー・ドラッグ]施策体験の際に用いられたデバイス(複数回答)の中で「スマホ」が占める割合…33.5%
[ファーストフード]施策体験の際に用いられたデバイス(複数回答)の中で「スマホ」が占める割合…62.3%
[航空]施策体験の際に用いられたデバイス(複数回答)の中で「PC」が占める割合…73.5%
⑤ 施策に接する(手続きする)シチュエーション
スマホ普及が進む中、施策に触れるシチュエーションには業種間で大きな差が出ている。ネット通販、保険や航空、百貨店など比較的購入頻度が低い業種ではまだまだ「自宅」が中⼼だが、スーパー/ドラッグなどの日用品流通では「店舗内」における接触が⼀番多い。一方ファーストフードでは、「通勤・通学」「会社」「買物に行く途中」などの日々の生活導線における施策接触の合計が、「自宅」や「店舗内」での接触を上回る。
<業種の特徴が現れている施策接触シチュエーション>
[航空]「自宅」が占める割合…55.5%
[スーパー・ドラッグ]「店舗内」が占める割合…39.6%
[ファーストフード]「会社・出先」「買物に行く途中」「通勤通学」の合計が占める割合…32.6%
【調査概要】
◆調査期間 : 2014年11月18⽇〜28日
◆調査対象者 :対象業種で各種サービス享受のために該当するCRM施策を体験したことのある7,464名
◆調査地域 : 首都圏(東京都、神奈川県、埼⽟県、千葉県)
◆対象業種 : 食品・飲料、化粧品、スーパー・ドラッグ、百貨店、ネット通信販売、ファーストフード、航空、旅行、生命保険、通信教育の全10業種
◆主な質問項目 : 41種類の施策タイプ別に、以下の項目を聴取
・施策の体験の有無(企業が施策をオファーしていても受容していない時は未体験)
・体験した施策に対する支持
・施策を体験するのに用いたデバイス
・生活導線の中で施策に接触したシチュエーション
・(未体験施策も含めた)各施策に対する将来期待
*その他、各種デモグラ、当該業種/当該企業商品(サービス)の購⼊⾦額など
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