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カントリーマネージャー新谷氏に聞く、急成長する米大手DSP「The Trade Desk」の魅力


透明性の高いデータやロジックを提供し、運用者を支援する

有園:私自身、オーバーチュアやグーグルでは自分で運用もしていました。主に、検索連動型広告でしたが、アドネットワーク、GDN(グーグル・ディスプレイ・ネットワーク)といった運用もしていました。広告主というよりも、運用する立場として主に広告会社やトレーディングデスクといわれる人たちは運用するからこそ、透明性の高いデータが事細かに欲しくなります。少し入札金額を上げた、ターゲティングを変えた、配信時間帯を変えたといった、ちょっとしたことがどのようにコンバージョンのレートに影響しているのか、CTRを上げているのか、効果があったのか、効果がなかったのか、すごく気になるわけです。

 広告主に対して失礼な発言かもしれませんが、広告主はご自身では運用しないケースが多いので、そんな細かい話や過程はあんまり関係ないじゃないですか。一生懸命頑張っていても、それでCPAが改善されたり、コンバージョンの数が増えたりしない限りは、あんまり興味を持っていただけないというか。そういう意味では、御社がどういう経緯で広告会社やトレーディングデスクとしかビジネスをしない、取引をしないのか、フィロソフィーとかがあると思うのですが、透明性が高いというサービスモデルを受け入れやすいのは、運用をきちんとやる人たちなんだろうなって。

新谷:そうですね。

有園:「うち透明性が高いですよ」って広告主に直接いっても「全部自動でブラックボックスでもいいから効果が高ければいいんだよ」っていう担当者も、たぶんいると思うんですよね。でも、Trade Deskって社名についているくらいなので、Trade Deskって運用する人たちの総称だから、その人たちに向けてきっちり下支えをするというか「我々は運用する人たちの味方ですよ」というのが社名になっているんだなって僕は感じています。それが、今おっしゃっている透明性ってことなのかなと。その社名のフィロソフィーを、具体的に何をやってくれるのと言われたら「透明性です」と。データの透明性やロジックの透明性といったことなのではないかと勝手に思っていたのですが。その理解で大丈夫ですか。

新谷:はい。大丈夫です。

DSP「The Trade Desk」の魅力

有園:私は運用で育ってきた人間なので興奮するんですよ。話を聞くだけで嬉しくなります。透明性って何、運用者にとって他のDSPと比べて、どういうところが良いのって思うのですが、そのあたりをご紹介いただけますか。

新谷:2つあります。まずビッドファクター(Bid Factor)です。先ほど、運用するときに、いろいろな配信の条件を組み合わせながら広告効果を改善していくという話がありましたが、そういう運用をするための条件をラインアイテムというもので設定していくのが、競合他社のDSPです。

有園:いま、おっしゃっているラインアイテムというのはグーグルの仕組みだとアドグループのことでしょうか。

新谷:はい。

有園:DSPではラインアイテムと呼んだりすることがあると。

新谷:私どもは、ラインアイテムとは呼ばずアドグループと呼んでいます。たくさんの配信の最適化をしようとすると、アドグループをたくさん設定しなければならない。運用をしっかりやっていくとなると、50本、100本といったアドグループを作って運用しなければならなくなる。一方、私どもは一つのアドグループの中で配信条件を変えられる、例えば掲載位置が上のところだけに違う入札金額を設定できる、時間帯別、SSP別、ブラウザ別など、たくさんの最適化の要素に対してアドグループを増やすことなく入札金額を設定できるというのが私どものDSPの特徴です。入札金額を変更できるターゲット要素のことをビッドファクターと呼んでいます。アドグループを増やさずに最適化していくというのが大きな特徴の一つです。

 もう一つは、それだけ細かい入札ができるのはいいんだけれど、効果はどうやって分かるのって話だと思うのですが、先ほど申し上げた、様々なビッドファクターごとにピボットレポートを提供しており、運用していただくみなさまには、掲載位置、時間帯、掲載サイト、SSPなどの16個の要素別にプラットフォームから、レポートをダウンロードしてご覧いただくことができます。どこがいいか、どこが悪いか、どこにお金がかかっているのか、効果がいいのはどこかを、すぐに知ることができます。それが、我々の2つ目の大きな特徴です。

有園:昔よくやっていたのは、アドグループをPCとスマホは別に作り、それだけで同じものでも2本になってしまうことがよくあるのですが、御社のシステムだとビッドファクターと呼ばれるファクターの一個になっていて、同じアドグループの中で設定できるってことですね。最近だと、アドワーズとかも基本、PCが100円の入札金額だったらモバイルはプラス20パーセントといった指定の仕方をしたりすると思うのですが、それに近い感覚だと思っていいでしょうか。

新谷:そうです。同じようなことができるということです。

有園:それと同じような発想で、たとえばアドフォーマットのサイズが300×250とか、それぞれバナーのサイズが違っていたりするものも、同じアドグループの中で処理されていくのでしょうか。

新谷:そうですね。バナーのサイズ別に入札金額を変えることは可能です。多くのビッドファクターを全部掛け合わせて、入札金額が決まるという仕組みになっています。また、ご説明させていただいた入札方法に加えて、レポートがかなり柔軟にとれるので、運用者の方が運用する時間を非常に短縮できます。これまではたくさんラインアイテムを作らなければならないので労働集約型になりがちな設定業務などのオペレーション環境を改善し、分析や戦略、戦術の立案に時間を割いていただくことができます。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:46 https://markezine.jp/article/detail/22430

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