SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

実践!戦略的ネイティブアド活用のキホン

ブランディング広告としてのネイティブアドの課題/数値化と可視化の壁に向き合う

購買行動に対して、どのような役割を果たすのかという視点

 ブランディングを目的として活用するネイティブアドは、ダイレクトレスポンス広告のようなインプレッション・CPC・CVRという指標では、その効果を適切に測ることはできません。そもそも、期待効果が違うのです。効果を測るためには、購買行動に対して “どのような役割を果たしたか”を導き出さなくてはなりません。

 もちろん、コンバージョンへの距離が近いダイレクトレスポンス広告は、CPCやCVRなどの指標が有効でしょう。コンバージョンに至るまでの時間が近く(そろそろ●●を買おうかな~)、気持ちも近い(●●を買おうかどうか真剣に悩んでいる……)対象に対して、効率的にアプローチできてアピールできるプロモーションにおいては、計測指標としてCPCやCVRなどに着目することは理にかなっています。その一方で、ブランディング広告はコンバージョンに対して“時間”も“気持ち”も遠い。だからこそ、ダイレクトレスポンス広告と同等の指標で比較してしまうと価値を見誤ってしまうのです。

ネイティブアドの計測方法

 おおざっぱにまとめると、測定する内容は「アプローチしたいターゲットに対して認知・理解・興味喚起の機会を増やし、ブランド想起やニーズの醸成、好感を獲得する。この貢献度合いを計測すること」です。いよいよデジタル広告も「4マス媒体の投資対効果の深い議論に本格的に参入する」と考えたほうがくみしやすいかも知れません。そして、この指標を確立するために様々なプレイヤーが試行錯誤しているというのが現状です。それらに対する計測方法をまとめると、下記のようになります。

(1)誰にどれだけ読まれたか【定量的なアプローチ】

・コンテンツの拡散度合いやリーチ数
・ソーシャルにおけるエンゲージメントについて
・記事がどこまで読まれたか(リードという概念に基づく計測)

(2)ブランドに対する意識はどれだけ変化したか【定性的なアプローチ】

・ブランドリフト(広告接触によるブランド認知度、高感度アップ、購買意欲アップなど)

(3)最終的に成果に結びついたのか?どれだけ貢献したか?【DMP/アトリビューション的なアプローチ】

・実際の購買にいたるまでの、記事が及ぼす影響を測るアトリビューション分析
・DMP等のデータ連携によるプロモーション投下と売上の相関関係についての分析
・シングルソースパネルによる分析

 マス広告のGRPのように、共通言語として使用できる指標が生まれることが望ましいですが、まだその段階には至っていません。現状では、コンテンツがどれだけ人に届き、共感をもたれ、態度変容をもたらしたか。そして、結果として購買にどれだけ寄与したかを可能な限り調査し、レポーティングを行いディスカッションを進めていくのが得策でしょう。(参照:コーセーのネイティブアド活用事例)

次のページ
「コスト」と「ボリューム」の課題

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
実践!戦略的ネイティブアド活用のキホン連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

城口 智義(シログチ トモヨシ)

出版社にて新規事業開発・自社Webメディアを担当後、株式会社フルスピードへ入社。役員として営業部門、メディア部門、SEO部門を統括し、数多くのデジタルメディアのプロモーション支援に携わる。2010年に株式会社インフォバーンへ入社し、営業開発部門長として、企業のWebマーケティングのプランニングを担当。同時に他社との...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/06/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22574

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング