購買行動に対して、どのような役割を果たすのかという視点
ブランディングを目的として活用するネイティブアドは、ダイレクトレスポンス広告のようなインプレッション・CPC・CVRという指標では、その効果を適切に測ることはできません。そもそも、期待効果が違うのです。効果を測るためには、購買行動に対して “どのような役割を果たしたか”を導き出さなくてはなりません。
もちろん、コンバージョンへの距離が近いダイレクトレスポンス広告は、CPCやCVRなどの指標が有効でしょう。コンバージョンに至るまでの時間が近く(そろそろ●●を買おうかな~)、気持ちも近い(●●を買おうかどうか真剣に悩んでいる……)対象に対して、効率的にアプローチできてアピールできるプロモーションにおいては、計測指標としてCPCやCVRなどに着目することは理にかなっています。その一方で、ブランディング広告はコンバージョンに対して“時間”も“気持ち”も遠い。だからこそ、ダイレクトレスポンス広告と同等の指標で比較してしまうと価値を見誤ってしまうのです。
ネイティブアドの計測方法
おおざっぱにまとめると、測定する内容は「アプローチしたいターゲットに対して認知・理解・興味喚起の機会を増やし、ブランド想起やニーズの醸成、好感を獲得する。この貢献度合いを計測すること」です。いよいよデジタル広告も「4マス媒体の投資対効果の深い議論に本格的に参入する」と考えたほうがくみしやすいかも知れません。そして、この指標を確立するために様々なプレイヤーが試行錯誤しているというのが現状です。それらに対する計測方法をまとめると、下記のようになります。
(1)誰にどれだけ読まれたか【定量的なアプローチ】
・コンテンツの拡散度合いやリーチ数
・ソーシャルにおけるエンゲージメントについて
・記事がどこまで読まれたか(リードという概念に基づく計測)
(2)ブランドに対する意識はどれだけ変化したか【定性的なアプローチ】
・ブランドリフト(広告接触によるブランド認知度、高感度アップ、購買意欲アップなど)
(3)最終的に成果に結びついたのか?どれだけ貢献したか?【DMP/アトリビューション的なアプローチ】
・実際の購買にいたるまでの、記事が及ぼす影響を測るアトリビューション分析
・DMP等のデータ連携によるプロモーション投下と売上の相関関係についての分析
・シングルソースパネルによる分析
マス広告のGRPのように、共通言語として使用できる指標が生まれることが望ましいですが、まだその段階には至っていません。現状では、コンテンツがどれだけ人に届き、共感をもたれ、態度変容をもたらしたか。そして、結果として購買にどれだけ寄与したかを可能な限り調査し、レポーティングを行いディスカッションを進めていくのが得策でしょう。(参照:コーセーのネイティブアド活用事例)