データ活用で成果を上げる「4つのキーワード」
実際にデータを使ってビジネス成果を上げていくために、どのような切り口で考えていけばいいのだろうか。柴田氏が挙げるのは、次の4つのキーワードだ。
- 最適化
- チャネル横断
- アクションにつながる分析
- 最新技術
ひとつ目の最適化は、物流の配送ルート最適化や、ホテルの部屋のプライシング最適化、あるいはネットの運用型広告の入札最適化といった部分にすでに使われている概念だ。中でも具体的に語られたのは、Webサイトの最適化。今、訪問者によって表示するコンテンツを切り替えているサイトは少なくない。
Webサイト最適化の方法には、大きくセグメンテーションとパーソナライズの2つがある。例えば大手ハウスメーカーは、ブレインパッドのプライベートDMP「Rtoaster」を活用し、トップページの表示コンテンツを自動最適化。物件詳細への誘導数が13倍、キャンペーン申し込みなどのCVRが13.4%増加した。適切なセグメンテーションによって、検討期間が長い商材への関心を引き上げた。
セグメンテーションは特徴の似た人を集め、コンテンツを最適化することで、顧客育成や離反防止につながる。一方パーソナライズは、膨大な商品や記事を“その人”向けに抽出することが可能だ。「この2つは、それぞれ得意分野が違います。併用することで、さらなる効果が見込めます」と柴田氏は語る。
鍵は「チャネル横断」した顧客の育成
キーワードの二つ目「チャネル横断」とは、広告やサイトやアプリ、メール、さらにコールセンターなどの多様なタッチポイントを横断して同一ユーザーを検出することだ。今、生活者はそれぞれのタッチポイントを特段意識せず、自由自在に動いている。「Webサイトではロイヤルカスタマーとして扱っているなら、それ以外のチャネルでも同様に対応する必要があります」(柴田氏)
実際に、チャネルを横断した顧客対応をどのように実現しているのだろうか? あるアパレル企業では、「Rtoaster」にまずWebサイト訪問のデータを蓄積。それを元に最適なレコメンドや広告を表示し、メールの内容にも購入確率が高い商品の情報を掲載。さらにこの分析をオフライン施策であるダイレクトメールにも応用、郵送費ほかのコストを踏まえて「購入確率が高い人のみに送る」ことが可能になった。
「Rtoaster」に蓄積した顧客情報は、コールセンターでの細やかな応対に活かすこともできる。また、iBeaconなどを連動させれば、実店舗への来店情報との連携も可能だという。
さらに発展的な事例として、ある情報提供サイトでは「Rtoaster」に加えてマーケティングオートメーションツールの「Probance Hyper Marketing」を採用。メールの自動最適化を中心に、One to Oneマーケティングが実践されているという。
「ポイントは、チャネル共通でセグメンテーションし、全体を俯瞰したマーケティングシナリオを描くこと。これを整備することで、LTVの最大化につながります」(柴田氏)
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