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MarkeZine Day 2025 Retail

LINEビジネスコネクトで実現するスマホ時代の1to1コミュニケーション

実際に賃貸契約も成立!「LINEで気軽な物件探し」を実現した大東建託のLINEビジネスコネクト活用術

顧客の半分がスマートフォンから流入/LINEで未来の顧客層を獲得

 以前は雑誌などを中心に広告を出稿してプロモーションをおこなっていた大東建託だが、現在はネットでの集客を強化しており、今日では顧客の6割程度を、ネットからの流入が占めている。そして全体の5割がスマートフォンからのアクセスだという。リスティング広告や「いい部屋ネット」の専用アプリ、そしてLINEと、様々なチャネルで顧客との接点を構築しているが、特にLINEでは実際に部屋を借りる前の「今すぐ借りる予定はないけど将来的には……」という未来の潜在顧客層の獲得を目指している。

 そして、スタンプ施策で一気に695万人のリーチを達成した同社の公式アカウントだが、「スタンプ配信やタイムラインへの投稿で友だちの数は順調に増え、今や1,000万人に達する見込みです。しかしながら、一方的な企業側からのメッセージ配信に偏ったコミュニケーションに、どこかもどかしさを感じていました」と丸川氏は指摘する。

 「LINEユーザーの『ブロック』や『友だち解除』を防ぐために、ユーザーに嫌われないような定期的なコミュニケーションを心掛ける必要があります。かつてのLINEの友だち全員に対するメッセージの一斉配信による反響の大きさは実感していたものの、部屋探しは希望の条件も人によって様々な個人的なものです。本来、顧客とのコミュニケーションは双方向であるべきで、一方的なLINEのメッセージ配信にもどかしさを感じていた時に、LINEビジネスコネクトの話を聞き、まさにこれだと思いました」

顧客がLINEでメッセージをくれた、温度感が高まっているタイミングを逃さない

 そして大東建託は、2015年5月11日からLINEビジネスコネクトを活用した「大東建託お部屋お探しサポートサービス」を開始した。「LINE トーク」を通じて気軽に部屋探しに関する相談ができる同サービスでは、ユーザーからの様々な問い合わせに専任オペレーターが対応。問いあわせ数は平均1,500件/日に、反響数(連絡先などの情報聞けた数)は60件/日にのぼるという。

 ネットでの物件探しといえば、ユーザー自らが検索項目を入力し、条件にあった物件を探してから問い合わせるフローが一般的だ。しかし、同社のLINEビジネスコネクトを活用したサービスでは、「なんとなく物件を探してみようかな」という気軽な気持ちで問い合わせることができる。物件探しに対するユーザーの心理的ハードルを下げたことが功を奏し、サービス開始後にはさばききれないほどの問い合わせが押し寄せたという。 平日10~19時でサービスを開始したが、ユーザーの反響を受けてすぐに6月8日から平日夜間対応(22時まで)を 、6月13日からは土日祝日の対応も開始した。

 「こちらからメッセージを送ると、ユーザーから一気に何万件という反応がくることもあります。莫大な数のお問い合わせをいただき、対応しきれていないのが現状です。待たせてしまってはお客様の満足度が下がり、逆効果になってしまうので稼働時間を延長して対応しています。問い合わせがきたら、理想は30分以内に返すことが目標です。お客様がメッセージを送ってくれた時こそが、最も温度感が高まっているので、興味が薄れてしまう前にテンポよくコミュニケーションをとりたい。まずは9月の不動産業界の繁忙期までに、体制を整えていきたいと考えています」

 また、顧客とのLINEトークのやり取りでは、「自然なコミュニケーションのやり取りの延長線上で、物件の提案ができれば」と丸川氏。「お客様の問い合わせにはできるだけタイムリーに反応し、コミュニケーション後に要望にあった提案をして店舗へ誘導、そして成約という流れになっています。ユーザーからのメッセージに対していきなり物件をすすめるのではなく、言葉のキャッチボールを通してまずはに親しみをもってもらいたい。物件紹介につなげるまでの時間も大切にしなくてはならないと思います。今後はそこの対応スキルも強化していきたいですね」と語る。

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LINEで15万人と1to1コミュニケーションを実施/賃貸契約の成立も

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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八木 彩香(ヤギ アヤカ)

1991年2月25日生まれ。早稲田大学卒業。学生時代はサッカーに励み、大学女子サッカー選手権優勝し日本一に。現在はライター・編集者として日々、奮闘中。フリーライターでありながら特技はフリーキックです。ツチノコを探し求めて自転車で日本中を冒険しました。好きな言葉は「はくなまたた」。

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Twitterアカウント(八木彩香)

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MarkeZine(マーケジン)
2015/07/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22671

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