「2020年の渋谷系」をテーマにライブを演出
6月10日、BAPAの学生による卒業制作プレゼンが開催されました。今回はその様子をダイジェストでお伝えします。
BAPAはバスキュールとPARTYが昨年から始めたクリエイターのための学校です。「Both Art and Programming Academy」が正式名称で、その名の通りアートとデジタル技術の両面からものづくりのできる次世代の天才を排出することを目的にしています。BAPAでの取り組みは大きく2つ。有名クリエイターによる講義やワークショップと、卒業作品の制作です。
卒業制作は「2020年の渋谷系」をテーマにpixiv発のアイドル『虹のコンキスタドール』(以下、虹コン)が渋谷ヒカリエで開催するライブの演出を考えること。BAPA生は9チームに分かれて、制作を進めています。ですが、実際にライブの演出ができるのは、演出企画アイディアのプレゼン結果が良かったチームだけ。
そして、その採用可否を決めるプレゼンの場が、今回レポートする「卒業制作プレゼン」です。ちなみに、BAPA講師陣をはじめ、pixivの副社長を務める永田寛哲氏や、Rhizomatiksの石橋素氏等が審査員を努めました。
スマホ、センシング……etc、デジタルを活用したアイディアとは?
目立ったものはスマホの活用
トップバッターのAチームは、スマホでライブ中の消費カロリーを計測、消費量に応じて、応援するメンバー(推しメン)のテーマカラーで会場を染められるという「NIJICON LIVE GIM」を提案しました。スマホの振動でカロリー換算をするようです。
スマホを活用したアイディアは複数のチームが持っていました。例えば、各参加者が個別のウォール(メッセージアプリのスタンプのようなもの)を舞台スクリーンに投げられる「CHEER WALL」。自分のウォールが、舞台演出として登場します。一方、「煌めけ 虹のコンキスタドール」は、ライブ前に推しメンを登録。ライブ中にスマホを振ると、その振動数に比例してメンバーの衣装の翼が輝いたり、虹が舞台スクリーンに投影されたりする演出です。
ユーザー参加型もテーマの一つ
また、参加型ライブをテーマにした演出も数多く見られました。「Excitoss!!」は観客が2チームに分かれて、玉入れをするというもの。演奏中に放たれるレーザービームにタイミングよく手をかざすと、スクリーンにボールが入ります。相手チームの妨害をすることも可能。そして演奏終了後にボールの数が少なかったチーム側のライトが消えてしまう、というもの。プレゼンでは実際にデモが行われ、会場は大盛り上がりでした。
観客が演奏に参加できる「WE ARE 虹コンBAND」という演出アイディアも登場しました。ギターやピアノをかたどった紙製の楽器にスマホをセットすると、実際に楽器を奏でられるというもの。セッションをしながら、メンバーとのシンクロ率やサボり具合で、舞台スクリーンに投影される自分のアイコンが目立ったり消えたりします。