商品の価値・魅力を伝えられる場所として、ECサイトを構築
クリスメラの商品は、アクセサリーを売るのとは勝手が違う。なぜなら、ロック式ピアスキャッチやバックピアスは、まだ世の中に十分に浸透した商品カテゴリーではなく、まずはその文化を創り、広めていくことから始めなければならないからだ。
「バックビアスとは何かを理解してもらうには、まずロック式ピアスキャッチの説明から始めて、そこの理解が得られてはじめてシーンにあわせておしゃれができるバックピアスの説明ができます。ここまでじっくり相手に伝えるのはすごく大変。その説明を、卸業でやっていくのは難しいと思い、商品の価値を伝えられる場所としてECサイトをつくることにしたんです。でも、ピアスキャッチ自体を売ることが目的ではありません。あくまでバックピアスをまず認知していただき、魅力を伝えたい。さらに共感していただいた卸先のジュエリーショップなどには、バックピアスを自由につくってみようかなと思っていただくことが狙いです」(菊永氏)
実は菊永氏は、以前から料理愛好家の平野レミ氏のオフィシャルサイト「remy」のファンだったという。(参考ページはこちら)
「Facebookのタイムラインに流れてきた平野さんのサイトが、すごく素敵で。シンプルなECサイトなのに、すごくよく世界観を表現しているサイトだなと思いました。シンプルに彼女をフィーチャーして、レシピを紹介して、それに付随する商品を売っている。Facebookからサイトに遷移したときに違和感がなく、シームレスで美しかった。このサイトが気になりつつ、制作会社を探していたところ、たまたま開いたページでフラクタさんがその平野レミさんのサイト制作に携わっていることを知りました。他にも私が気になっていたECサイトをいくつも作っていたことがわかって。これは!と思ってすぐ問い合わせました」(菊永氏)
まずはブランドの徹底的な理解から/ブランディングECサイト構築までの道のり
クリスメラの本社は岡山県倉敷市。菊永氏も倉敷在住のため、基本的に遠隔でECサイト構築を進めていったという。「こちらの要望通りに枠だけ作って、その後のECサイトの運営や売上を向上させる方法、またECサイトを通してお客様に何を伝えていくかといった相談は担当外なので受けない制作会社もあると思うのですが、フラクタさんは違いました。詳細なヒアリングを通して、ECサイトでのブランディングを実現するために、まずはブランドを徹底的に理解するところからはじまります」と菊永氏は当時を振り返る。
「また、私はECについて素人なので、気軽に『●●のサイトみたいにしたい』『シネマグラフがかっこいいからやりたい』とかリクエストするわけです。でもフラクタさんは、それがうちの商品に本当に合っているかどうか、チームで一つひとつ議論してくださって。『御社は御社のサイトをつくるので、誰々のサイト“みたいな”というのはやめましょう』『シネマグラフは画質を落とさなければならないので、ジュエリーを綺麗に見せるべき御社のサイトには合いません。スマートフォンからのアクセスも多いので、画像サイズが大きくなるという点でもシネマグラフは良くないです』とか、真面目に検討した上で意見をしてくれます。お金さえ出せば何でもつくってくれる制作会社よりも、サイトのことを真剣に考えてくださっていることが日々のやり取りから実感でき、とても信頼しています」(菊永氏)