国内事例も出てきたInstagram
世界4億人以上が利用し、毎日8000万枚以上の写真がアップされているInstagram。日本でも昨年より利用者が倍増。810万人にまで広がっている。新たな顧客接点として注目が集まる。そして既に日本企業でもInstagram活用による事例が出てきている。例えば、革製品を販売している土屋鞄製造所(@tsuchiya_kaban)は、ブランド認知の向上を目的にInstagramで広告キャンペーンを展開。50.8万人への広告接触を実現し、ブランド認知度の向上を成功させた。
9月には新しい広告フォーマットの展開も発表され、利用者との接点創出の場としてますます注目が集まる(関連ニュースはこちら)。しかし、企業が活用するためには一体何をすれば良いのだろうか? 「まずは実際にInstagramをのぞいて、Instagramがどのようなものかを知っていただきたい」Instagram広報の日高久美子氏は語る。実際に触れてみることで、Instagramだから成立するコンテンツや、反応を得られるクリエイティブを考えることができるという。
そこで今回は、Instagramは何かを知る入門編としてサービスの概要や特長、利用者の動向を紹介したい。
足元くら部、ザ壁部etc、ユニークなクラブ活動
――そもそも、Instagramはどのようなサービスですか?
日高氏:一言で表現すると、モバイルフォトのアプリです。現在、多くの人々がスマートフォンを利用し、高性能なカメラで自由に世界のあらゆる瞬間を撮影しています。その瞬間を様々な世界観によって捉え、共有することがInstagramのミッションです。
Facebookの場合は、人と人のつながりが根底にありますが、Instagramの場合はクリエイティブのつながりが基本になります。Instagramの利用者はビジュアルコミュニケーションをされている。広い意味でアートと人と、テクノロジーが交差しているプラットフォームです。
――具体的に、Instagramはどのような使われ方をされているのですか?
日高氏:主な用途は作品の「制作」と「閲覧」の二つに大分されます。写真を撮って、編集をして、シェアをする。これが基本的な制作手順です。利用者のニーズに基づいて作られた数多くのフィルターがあるので、誰でも簡単に雰囲気のある写真を投稿することができます。また、映っている人や場所をタグ付けできるため、日記のような使い方をされている方もいますね。また、コメントを活用して写真とテキストで世界観を表現する方もいます。
さらに、Instagram独特の文化が形成されているものはハッシュタグでしょう。たくさんのハッシュタグを付けたり、長文のハッシュタグをつくったりする方もいます。ユニークな点は、絵文字をハッシュタグにできることです。例えば、写真に関連する絵文字をハッシュタグにしたり、嬉しいといった感情をそのまま絵文字で表現したり、写真の内容を絵文字で再現したりすることが可能です。
また、ハッシュタグはコミュニティのような役割もあります。「#ザ壁部」は壁面の写真を撮る方々が投稿の際に使っているハッシュタグなのですが、6万件以上の投稿がされています。「#足元くら部」はその名の通り、足元を撮った写真が集まっているのですが、投稿数は28万を超えています。
――ハッシュタグで検索して、眺めるだけでも楽しそうですね。
日高氏:そうですね。様々な写真に触れることもInstagramの使われ方のひとつです。先ほど触れた作品の「閲覧」ですね。ハッシュタグ検索はもちろん、キーワードやスポットで写真を検索すれば、興味関心のある事柄をビジュアルで楽しむことができます。また、写真を通してご自身の世界観を表現される利用者も大勢います。共感できる世界観を写し出している方たちをフォローするのも、Instagramならではの使われ方だと思います。
お弁当や朝食をアップする方々もいますし、「箒に乗って飛んでいるおじさん」の写真をアップするかたもいます。そのかたのアカウント(@halno)は、27万人のフォロワーがいて写真が書籍化されたそうです。また、柴犬のまるたろうくんをアップしているアカウント(@marutaro)は190万人のフォロワーを毎日かわいらしい写真で癒しています。