成長コンテンツから見えてくるヒント
成長しているコンテンツ分野については以下のように現状分析した。
最大10メガバイトがダウンロードできるビデオコンテンツは、音楽やアニメコンテンツを中心にメニュー数・会員数ともに増加の傾向という。中心ユーザは20~30代の男性。905iから増えるフォーマハイスピード(HSDPA)対応機によって今後さらに伸びると予想される。
ケータイ小説は、書籍化による市場の創造、さらには映画・音楽をからめたクロスメディア展開へと波及効果のあるコンテンツであると称賛。電子書籍については20代女性を中心としたコミックの人気が話題になった。また、ショッピングについては、主に大手カタログ通販での携帯端末経由決済の伸びなどを背景に前年比38%の伸びを見せていることを挙げた。今後、リアルな店舗やファッションショー、SNS、音楽などとの連動も期待できる分野だという。
旅行予約サイトのユーザ数も伸びている。楽天トラベルでのサービスインターフェイス改善の事例を紹介。画像を大きく見せるなどユーザの安心感をアップを図ることにより前月比60%、昨年比23.8倍の流通金額アップを達成したという。そのほか「賃貸/住まい」と「アルバイト/就職」ジャンルのユニークユーザ数、「地図」ジャンルのマイメニュー登録数、また、「iチャネル」内の「おこのみチャネル」ユーザ数の伸びも紹介された。
成長横ばいの分野の中にも芽がある
ゲームジャンルでは単価の高いRPGなどのゲームから低単価のミニゲームへのシフトによって伸びが鈍化したものの、マイメニュー登録数そのものは右肩上がりで増えているという。ホストシミュレーション・女性向け恋愛シミュレーションなど、ふだんゲームをしない女性を対象としたゲームやシンプル直感ゲームのヒットにより10~20代の女性の利用が増加していることも挙げ、この停滞は一時的なものとのニュアンスを含ませた。
音楽ジャンルでは、女性を中心にメロディコールの利用が、デコメールでは新設の「バラエティ/お笑い/メンズ」ジャンルが伸びているという。「コンテンツ市場、苦しいとは言われているが、このように伸びているジャンルがある」と語り、セッションを締めくくった。