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第106号(2024年10月号)
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MarkeZine Day 2015 Autumn(AD)

「Oracle Marketing Cloud」が実現するシームレスなマーケティング基盤とは

 データベース領域に実績のあるオラクルは、近年マーケティング関連企業のM&Aを戦略的に展開し、マーケティング基盤「Oracle Marketing Cloud」を構築。現在、グローバルで3,000人規模の専門チームを組織して、企業のマーケティング支援に注力している。10月14日に開催されたMarkeZine Day 2015 Autumnでは、日本オラクルの福田晃仁氏により、BlueKai、Responsys、Eloquaの3製品の概要と連携が紹介された。

マーケティング支援でもNo.1を目指すオラクル

 今回の講演タイトルに冠された「Oracle Marketing Cloud」とは、グローバルですでに2,800社以上が導入しているクラウド型マーケティングプラットフォームだ。このプラットフォームの導入促進、また運用サポートのために、オラクルはグローバルで組織する3,000人規模の専門チームを有している。

 同社は近年、マーケティング関連ソリューションの充実に力を入れている。日本オラクルのオラクルマーケティングクラウド本部にてプリンシパルソリューションコンサルタントを務める福田晃仁氏は、現在の事業と体制について「データベース市場のトップベンダーである実績をもって、当社は5年ほど前に企業のビジネスをマーケティング領域でも支援していくことを掲げました。同領域でもNo.1を目指し、2011年ごろから戦略的にマーケティング関連企業のM&Aを行ってきました」と語る。

日本オラクル株式会社 オラクルマーケティングクラウド本部
プリンシパルソリューションコンサルタント 福田 晃仁氏

 現在Oracle Marketing Cloudの主軸となっているソリューションは、2012年から昨年にかけて買収、続々とリリースしている。日本でも、2012年5月にOracle Marketing Cloudをリリースしたのを皮切りに、同年末にBtoBのマーケティングオートメーション(以下、MA)ツールの「Eloqua(エロクア)」、2013年末にBtoCのMAツールである「Responsys(レスポンシス)」、そして昨年2月にDMPの「BlueKai(ブルーカイ)」をリリースした。

シームレスな連携によって一貫した顧客体験を提供

 この4ソリューションを束ねて、企業の統合マーケティング基盤となり得るOracle Marketing Cloudが構成される。この8月には、コンテンツ最適化エンジンの「Maxymiser(マキシマイザー)」が加わり、さらに進化している。

 Oracle Marketing Cloudの全体像は、次の通りだ。中心に位置するのが、DMPのBlueKai。周辺に、ソーシャルマーケティングとコンテンツマーケティング、そしてBtoB、BtoC両方の領域のクロスチャネルマーケティングのソリューションがそれぞれ配置される。「これらは単に機能を集めたのではなく、中心に据えたBlueKaiによって各ソリューションが有機的に結びつけられ、スムーズに連携できる構造になっています。どのようなテーマでもシームレスに、一貫した顧客体験を生み出せるマーケティング基盤です」。

 ここからは、すでに日本企業にも多く活用されているBlueKai、Responsys、Eloquaについて概要と活用方法が紹介された。これらは現状、日本での主軸3製品となっているという。

 まず、正式名称を「Oracle DMP」としてリリースしているBlueKaiについて、福田氏は大きく次の3つの特徴を挙げる。

  1. さまざまなデータを保持する中立的プラットフォーマーであり、世界最大のデータマーケットプレイス
  2. データの粒度が細かく精度の高いターゲティングが可能
  3. 膨大なデータの整理ノウハウ

圧倒的な量のオーディエンスプロファイルを活用できるBlueKai

 BlueKaiは、プラットフォーマーという中立的なレイヤーとしての立ち位置を活かし、DSPやメディア、データプロバイダなど数百の参画事業体に対して、データマーケットプレイスの提供とデータの収集を行っており、圧倒的な量のオーディエンスプロファイルを保持している。日本では今年オムニバスとの連携を開始し、国内のオーディエンスプロファイルの充実に力を入れている状況だ。

 企業はこれらを3rdパーティデータとし、自社の顧客情報や売上といった1stパーティデータと、選択したパートナーとのみ共有する2ndパーティデータとともに、ターゲティングや各種分析を行える。外部プレーヤーと接続した実行チャネルへの展開や、Look-Alikeモデルによる潜在顧客の発掘も容易だ。

 特筆すべきは、この1stと3rdパーティデータをインテグレーションせずに利用できること。新たにターゲットを作成する操作は、画面上に並ぶデータのメニューにチェックを入れるだけでいい。データの粒度が細かいので、属性以外にも例えば『ハイブリッドカーを購入しようとしている人』といった限定的なオーディエンス選択もできる。「データのメニューは、ライブラリーサイエンスの学問を修了したスタッフが時流を鑑みたトレンドや母数を精査して作成していて、常に10%ほどが入れ替わっていきます。膨大なデータを、当社のBlueKai専門チームがマーケターのために使いやすく整えていることが、この製品の強みです」。

シナリオ作成から実行までを簡単なUIで行えるResponsys

 次に「ORACLE Cross-Channel Marketing Platform」と銘打っている2つのMAツールが紹介された。基本的にはResponsysがBtoC領域、EloquaがBtoB領域で主に活用されているが、「この2つは大まかに、購買プロセスの指向性と顧客の捉え方が異なっています」と福田氏。Responsysは顧客を「群」で捉え、コンバージョンを誘導して購買をフォローする。一方Eloquaは顧客を「個」で捉え、ステータスを管理していく。

 展示会などでの名刺交換から個人をリードとし、段階を経てナーチャリングしていく一般的なBtoB商材はこれに合致する。基本的にBtoBとBtoCでは、製品上の住み分けがされているが、BtoC でもEloquaが採用されるケースがある。例えば、米バスケットボールリーグNBAの本年度の優勝チームでは、ファンとのコミュニケーション戦略にEloquaが活用された。「スポーツの顧客管理は、ホームコートを地理的に中心とした、究極のエリアマーケティング。観戦しにくる個人のステータスを詳細に追いたい場合は、Eloquaが有効です」。

 「Responsysの特徴は、何といっても直感的に使える優れたUI」と福田氏。きめ細かなトリガー設計や柔軟なA/Bテスト、またシナリオ作成もアイコンのドラッグ&ドロップで簡単に行える。実行チャネルは、メールのほかにWebコンテンツのコントロールや広告配信まですべて網羅している。

 「強調したいのは、シナリオ作成から実行まで一連の流れを、管理画面上でマーケターが完了できることです。シナリオは自動実行できるので、かなり複雑な数百のシナリオを同時進行で回し、日々チューニングしている例もあります」。

個を追いながら全体像の把握も容易なEloqua

 Eloquaでも、使いやすいUIを備えている。「メールのコンテンツやLP、動画の埋め込みなども、Eloqua上でマーケターが簡単に行うことができます」と福田氏。加えて、顧客のステータスを把握できるプロファイラ、そしてスコアリングによる評価機能に優れていることが特徴だ。

 プロファイラ機能では、顧客がこれまでどのような経緯をたどってきたのかを確認できる。リードを営業へと引き渡した後も、アクションの内容や回数など、顧客の動向を細かく把握した上でのアプローチが可能だ。スコアリング機能では、自社が抱える顧客の全体像を把握できる。各アクションに重みをつけて個人にスコアをつけていくだけでなく、Eloquaのスコアリングではそのリードのプロファイルが重要かどうか、そしてエンゲージメントが高いかどうかの2軸でマッピングすることで、どのあたりに何%のリードが分布しているのかを可視化する。

 それぞれのスコア登録も簡単だ。あらかじめルールを設定しておき、プロファイルでは役職や関心領域などを、エンゲージメントではフォーム提出の有無やサイトの閲覧状況などを数値化する。プロファイルとエンゲージメントを掛け合わせて、それぞれに必要な情報を判断し、メールやサイトのコンテンツ最適化に活かすこともできる。

深い自社データと広い外部データの連携で顧客を網羅

 「自社の顧客になる前から、潜在顧客を獲得する競争は始まっています」と福田氏。BlueKaiと2つのMAツールとの連携、そしてオラクルが描くマーケティング戦略について、次のように解説する。「アウトバウンドで蓄積されるオーディエンスデータと、自社の1stパーティデータをつなげて戦略を立て、これらを実行チャネルへと展開することで、まだ見ぬ潜在顧客へも強力にアプローチすることができます。潜在顧客と、特定済みの既存顧客の両方へ、あらゆるデジタル接点を活用して理想的な顧客体験を提供するのが、当社の描くマーケティング戦略の全体像です」。

 これら製品群の連携によって、データ統合から分析・拡張、施策の実行、自動化・チューニングまでがシームレスに展開できる。さらに、施策の実行と自動化によって日々発生する新しいデータを、またDMPに反映させることで、データはますます充実していく。

 「マーケティング活動が進むほど、このサイクルが回り、活動の精度が高まって成果も大きくなります。特に、非常にリッチな外部データを有効に活用することで、深い自社データと広範囲の外部データもシームレスにつながるため、オーディエンスを網羅するという点では既存のどのような基盤より優れていると考えています」と福田氏は語る。顧客へ途切れない体験を提供する総基盤として、Oracle Marketing Cloudはさらに存在感を増していく。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/11/18 10:38 https://markezine.jp/article/detail/23317