全体最適化こそ重要、「勝ちパターン」を探せ!
こうした「お困りごと」を踏まえて、植山氏はマーケティングの全体最適化におけるポイントを4つ紹介する。
まずは解決すべきマーケティング課題をはっきりさせること。そして、メールに固執せず、Facebookやコンテンツマーケティングなど様々な施策を検討すること。3つ目に、チャレンジの過程で、クロスドメインや外部サイトなど顧客を把握できそうな様々なデータを多数取り込むこと。その上で、バイヤージャーニーに当てはめて有効なデータを取り出し、そこから自分たちの「勝ちパターン」を作ることだ。
ここで植山氏は、ある法人営業支援のサイトの事例を紹介。そこでは成果の上がっている施策として「比較資料のダウンロードが肝」であることに着目し、コンテンツマーケティングによる認知度アップや、比較サイト閲覧ユーザへのチャット接客などを開始したという。スコアを決めず、マーケティング担当者と営業担当者が協議して決めた「顧客セグメント」を定義し、それぞれの顧客セグメントへ「Facebookリマーケティング」「Web接客」「メール」「インサイドセールス」などを実施して成果をあげている。
また、BtoCだが、興味深い例として某自動車メーカーの成約データから“スクロール量”と成約が相関関係になることを発見。スクロール量が多い閲覧者に対して特別なコンテンツを提供するという試みを開始しているという。こうした「成功の指標」「勝ちパターン」を見いだせるのも、様々なデータを取得し、分析したからというわけだ。
顧客理解を前提にしたツール選びを
最後に宗像氏は、「スコアリングは万能ではない」と前置きし、「顧客は複雑であり、数値だけを見ていても掴めない。それよりも様々な方法で顧客と向き合い、理解しようとすることが大切。そのためにもMAツールはシンプルな形で効果検証、改善が可能なものが望ましい」と顧客理解を前提にしたツール選びの重要性を説く。
「ツール選定の際は機能ありきではなく、自分たちに必要なものがあるか、導入後に使いこなせるかを考えていただきたい。イノーバもSATORIもMAツールを提供している競合ですが、それぞれに強みが異なります。ぜひ、自社に合ったツールを選んでいただきたいと思います」(宗像氏)