マスorデジタルではなく、いかに連携するかが重要に
押久保:これらの面白い施策があっても、組織や人材の問題でできないということも起こりがちですが、マーケティング組織の変化も伺いたいです。
上森:弊社では、宣伝課の中にマスとデジタルそれぞれの担当がいて、お互いの領域はありつつ、ディスカッションしながら連携するスタイルです。
大島:弊社も宣伝部の中で、マスとデジタルのチームがそれぞれありますね。しかしマスかデジタルかではなく、現場にどうフィードバックするかが重要です。
住宅やマンションの事業は、1回買ってくれた人が次また何回も買ってくれるということがありません。見込み客は、契約する度に減っていくわけです。一つの契約に対し、5~10の見込み客が必要なので、常に新規開拓する必要があり、とても大変です。そこで、リード獲得や展示場への来場、資料請求の増加など目的に合わせ、マスかデジタルかを取捨選択しています。

押久保:マスとデジタルの連携は重要になってきているのですね。今後はデジタル領域に関して専門特化するのではなく、マスを含めた全体のプランニングも学んでいかなければならないという話も聞きます。
上森:そうですね。私自身、マスの担当者と連携するなかで、マーケティング全般のことを知っていないと、話についていくのが難しいなと感じることがあります。また、マス広告の手法の良し悪しを理解しないと、結果マーケティング施策全体のクオリティが下がってしまうので、日々勉強しないといけませんね。
2社が語る、今後のスマートフォン市場を生き抜く戦略
押久保:ありがとうございます。最後に、今後の展望を教えてください。
上森:スマートフォンを軸にしながら、デジタル上でのリーチ獲得と、コンタクトポイントとしての価値の向上に取り組みたいです。その結果として、デジタルの中でのエンゲージメントを高めていければと考えています。
大島:BtoBの事業認知の拡大と、新規でリード獲得した会員を展示場などの現場に来てもらうことですね。その際に、スマートフォンでのエンゲージメントをどう築いていくかが現状課題となっています。様々な選択肢はあるものの、結果を出すのは難しいのでまずはチャレンジしていきたいです。
押久保:お話を伺い、スマートフォンやデジタル環境の浸透が進む中で、マスやデジタルかという話ではなく、課題を解決するために施策を取捨選択するフェーズになっていると感じました。ありがとうございました。