単なる監視活動ではなく、情報発信者としての成長を促す「アイポリス」のフロー
「アイポリス」の事業としてのフローは、いくつかのステップに分かれている。まず、禁止語句などをシステムによってチェックする。そして、専任スタッフの目視でチェックし、悪意のあるものに対しては警告・削除を行う。この際、悪意なく著作物の不正使用などが行われている際には指導・教育を行う。この専任スタッフによる啓蒙活動の反復により、情報発信者としての意識を育てるというわけだ。また「教えてアイポリスページ」という運営者に対する注意やルール、著作権などについて学べる情報ページも用意されている。
こうしたさまざまな取り組みにより、ユーザとの信頼関係が育まれ、指摘や通報などが自発的に行われるようになるという。そうして健全性が保たれたサイトは快適なものになり、口コミとなって新たなユーザの獲得につながっていくというわけだ。
事実、「魔法のiらんど」では、アダルトサイトの排除や出会い系サイトの対策強化、著作権侵害やスパム業者対策強化などの施策を展開するたびにクレーム数は減少し、それと足並みを揃えるように登録ID数は上昇し続けている。不正行為を排除する姿勢は利用者に支持され、サービスの発展拡大へ貢献するという実感が得られたという。
鎌田氏は「一見、『アイポリス』の活動は口うるさいと思われ、ユーザの反感を買うことが懸念されたが、実際に始めてみると、多くのユーザが好意的で信頼感を持っていることに気付かされた」と実際のユーザの反応について語った。
今後は、これらのノウハウを、自社サービスのみならず、新規コンテンツ事業者へのコンサルティング活動や業界各種団体・協議会への参画といった形で提供していきたいという。最後に鎌田氏は、「ユーザさんを育てることこそが社会貢献。本気で啓蒙活動に力を入れていきたい」と『アイポリス』展開の抱負を熱く語った。
