無名な土地だが、キラリと光る道にスポットをあてたい
── リリースから現在までのユーザー数や反響などはどうでしょうか?
数字は非公開ですが、順調に成長しています。ユーザー層としては、サブスリーを達成するようなシリアスランナーとファンランを好むビギナー層の中間あたりにいる中級ランナーのみなさんが多い傾向になってますね。
現状ではコースディレクターという、選抜したインフルエンサーの方々のみ投稿できる状態にしています。マーケティング/PRに力を入れるフェーズでなく、コースディレクターの方がより簡単に投稿できるような仕組みを作ったり、サイトの使い勝手をよくしたり、という点に注力しています。せっかくサイトに訪問してもらっても、コンテンツが充実していないと楽しんでもらえませんからね。

他のコース検索機能のあるサービスとは違って、道の画像や誰が紹介しているのか、という情報でコースを探せるのが特長です。加えて、どこに荷物をおけるか・着替えられるかといった情報まで得られるのがこだわりですね。そこで地方の銭湯やホテルなどに送客していきたいと考えています。
仮に観光資源に恵まれてない土地でも、めちゃくちゃよい道があるなら、光があたるかもと考えてます。それをユーザーが本当に求めているかどうかは、まだわからないですが(笑)。
とにかく知り合いにお願いしまくった
── 現在の体制は?
今は、私とエンジニアの2名です。元々ネット系の業界にいなかったので、エンジニアを探すのには苦労しました。最初はエンジニアと聞けばとにかく声をかけてました。あるエンジニアに声をかけてよくよく話を聞いてみると、信号のエンジニアだったという笑い話もありましたね。そんな紆余曲折を経てやっと今の相棒を見つけました。
── 収益面はこれからでしょうか? 資金はどうしてるんですか。
自己資金に加えてベンチャー支援のファンドから出資を受けています。東京都のビジネスプランコンテストで採択していただいたので、メンターからの支援・アドバイスなども受けています。オフィスも朝日新聞社のアクセラレータープログラムで提供されている場所を間借りしています。
収益面は広告やイベントでのマッチングなどを視野にいれています。また、ラントリップ以外に「ランニングをもっと身近に」というコンセプトで、ラントリップマガジンというメディアサイトの運営も始めています。

こちらも順調に推移しているので、サービスサイトとメディアサイトを連携させることで、何かできなかなと考えてます。ユーザーを増やして、マネタイズポイントを増やして、顧客単価を高めていくイメージですね。
ランニングのサイトということで、僭越ながらランネットさんと比較されることもあるのですが、私としては違う立ち位置なのではと考えてます。例えば、地方のマラソン大会をランネットさん経由で申し込みしたとしましょう。前泊するのであれば、前日にその土地を走ってみようと思う方も多いのではないでしょうか。そういった場合に、その土地にあるおすすめの道を探すなら、私たちのサービスを使っていただくなどの、すみ分けができるのではと思います。