ロボットが個人の好みデータベースを構築
MZ:「Kibiro」は、かわいらしい風貌ですね。御社のサイトには一般家庭での活用イメージが動画で紹介されていましたが、毎日会話することでユーザーの好みを覚えて、条件を伝えれば適切な提案などもしてくれるようになる。これは、具体的にどのように展開されていく予定なのでしょうか?
斎藤:ひとつは、動画にあったように家庭への導入です。今年後半の販売開始を予定しています。もうひとつは、商業施設への設置です。たとえば書店やレンタルショップの店頭、飲食店のテーブルなどに設置して、訪れた顧客の問いかけに対応したり、レコメンドを返したりできるようにしていきます。
両方とも、それぞれの場所で個別に学習し進化していきますが、やり取りのデータを当社で集約・管理して、“個人の好みデータベース”のようなプラットフォームを構築する計画です。
この事業におけるパートナー企業も募集している段階で、コンテンツを提供いただくような形で組めればと。Kibiroが広告媒体や、送客装置になり得る可能性もあると思います。
MZ:なぜ、ロボット型にされたのですか?
斎藤:スマートフォンのアプリではなくロボットにしたのは、男女を問わずITに馴染みが薄い子どもからお年寄りまで、愛着を持って繰り返し使っていただきたいからなんです。それによって、AIが成長することにもつながります。
ログデータをベースにすると、サイト間を超えたり、あるいはサイトと実店舗などの壁を越えたりするのが容易ではありませんが、テキスト情報なら、どんな場でも同じように解析し、それを別の場へ返すこともできます。その点で、個人ベースでの展開も汎用性が高いと考えています。
AIの活用に重要なのは明確な目的
MZ:Kibiroのような形で、家庭にAIが根付いていくのも、遠い未来の話ではないんですね。この展開には、AIをもっと世の中に普及させたいというお考えがあるのでしょうか?
斎藤:まさに、そうですね。AIを搭載したタッチポイントを増やしたいという、明確な狙いがあります。
ユーザーから見たインターフェースとしてKibiroが機能し、また情報提供もKibiroを介することで、受け入れるハードルが低くなると思います。そこで得られる知見を当社では他のソリューションに反映させて、企業のマーケティング支援の新たな形へつなげられればと考えています。
MZ:今後の展開がとても楽しみですね。最後に、これからAIを活用されたい企業へアドバイスやメッセージをいただけますか?
斎藤:どんなソリューションでも同じかもしれませんが、目的が明確になっているほうが、導入がスムーズで成果も早く得られます。私たちがサポートしている事例でも、自動化したいけれども人がやらざるを得ない、この煩雑な作業をどうにかしたい、など課題がハッキリしているケースは展開が速いですね。最初にやりたいことの範囲が広すぎると、AIをどのように学習させていけば良いのか方向性が絞られず、結果が出るまで時間がかかります。
課題がハッキリしていれば、AI提供側も強みの紹介や活用の提案などの相談に乗れるので、ぜひその点は考えていただけると良いと思います。
3月3日開催のMarkeZine Dayでは新たな事例紹介も
2016年3月3日(木)に開催する「MarkeZineDay 2016 Spring」に斎藤氏が登壇します! 記事では明かせなかった事例などもイベントでは紹介します。申込は2月29日の17:00までとなっておりますので、気になる方はこちらから詳細をチェック!
【セッション情報】「MarkeZineDay 2016 Spring 」B-5セッション
『今こそ取り組むべき人工知能のマーケティング活用事例 ~VOC活用・レコメンド・ロボットのご紹介~』
・開催日/時:2016年3月3日(木)/13:50~14:40
・場所:秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル2F)
・詳細、お申し込み:こちらから