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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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人工知能をマーケティングに導入できる時代へ。専門家に聞く、その効果と導入プロセス

理解すべきはAIごとに強みが異なること

MZ:データを学ばせて各領域に特化させることで、AIを専門家レベルに育てていくということですね。「人工知能」というワードを聞くと、ついどんなお題にも答えてくれるような万能なイメージを持ってしまいます。

斎藤:そうなんですよね。先ほどお話しした、そもそも開発元によってAIの強みが異なることと、それに何を学ばせていくかによって解析が精緻化し、自社により役立つものになっていくことは、まず知っておく必要があると思います。

MZ:「KIBIT」の場合、具体的にどうやって“学ばせて”いくのですか?

斎藤:たとえば弁護士の方向けに提供する場合、「このメールは重要/重要でない」というラベリングをしたメールデータを最初に100件ほど読み込ませます。あとは、膨大なデータを解析させ、返してくる結果にしばらくYES/NOをつけていくことで、自動で精度を高めていきます。

 このプロセスは、既存のどのAIも変わりませんが、「KIBIT」の特徴は、最初に学ばせるデータが少数でも導入できることです。専門家の肩代わりなら100件ほど、個人の好みを学んでいくなら3、4の好き嫌いに関する項目を入れれば学習し成長していくので、導入時の負荷がなく、早く運用を開始できますね。

 最初に膨大なデータをインプットしないと機能しないAIも多いので、それだと中小企業やニッチな領域での活用はデータが少なすぎて実現が難しくなります。

MZ:なるほど、そのあたりも実際にAIを選定するときにはチェックすべきですね。

ユーザーの感覚を学習、レコメンドに活用

MZ:では、具体的にマーケティング領域で、どのような活用が可能なのでしょうか?

斎藤:方向性としては、大きく2つあります。ひとつは、企業内にすでにあるマーケティングデータの解析です。たとえばカスタマーセンターや商品レビューなどに蓄積された顧客の意見(VOC)を、いくつかの軸で解析して、欲しいデータを仕分け・分類して抽出できます。これはすでに企業への導入が進んでいます。

 もうひとつは、ユーザーの好みを把握して、レコメンドやコンテンツキュレーションなどのマーケティングの提案に活かすことです。どういった口コミを閲覧しているか、ユーザー自身がどんなコメントを書いているかなどを分析して、ユーザーの感覚を学習していきます。その上で、いくつかのデータ抽出の軸をインプットすることで、マーケターの方が意図するレコメンドを代行することができます。

MZ:すでにソリューションとして展開されているのですか?

斎藤:そうですね。提供の仕方も2つあり、ひとつは製品化したパッケージを導入いただく方法です。顧客の意見の分析などは、すぐにできますね。

 もうひとつは、エンジンとして提供して、クライアントのシステム内に組み込んでいただく方法です。企業内で蓄積したさまざまなデータの解析や、独自の使い方をしたい場合などは、ご相談に応じてフィットさせることが可能です。ECサイトでのレコメンドで、今ちょうど実証実験が終わった段階の事例がありまして、近いうちに公表できる見込みです。

 さらに、今年力を入れていくのは、「KIBIT」を搭載した小型ロボット「Kibiro(キビロ)」の展開です。

3月3日開催のMarkeZine Dayでは新たな事例紹介も

2016年3月3日(木)に開催する「MarkeZineDay 2016 Spring」に斎藤氏が登壇します! 記事では明かせなかった事例などもイベントでは紹介します。申込は2月29日の17:00までとなっておりますので、気になる方はこちらから詳細をチェック!

【セッション情報】「MarkeZineDay 2016 Spring 」B-5セッション
『今こそ取り組むべき人工知能のマーケティング活用事例 ~VOC活用・レコメンド・ロボットのご紹介~』

・開催日/時:2016年3月3日(木)/13:50~14:40
・場所:秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル2F)
・詳細、お申し込み:こちらから

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ロボットが個人の好みデータベースを構築

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/02/25 12:00 https://markezine.jp/article/detail/23855

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