「オーディエンスエビス」でカスタマージャーニーを可視化
MarkeZine編集部(以下、MZ):先日発表された「オーディエンスエビス」について、オーディエンス軸でカスタマージャーニーを明らかにした上で施策を評価する、というコンセプトはとても斬新だと感じました。
岩田:ありがとうございます。後ほど改めてアナウンスしますが、今まさにカスタマージャーニー機能については、モニター企業様を募集中なので、これからどんどん事例をつくっていくつもりです。
MZ:まずは、今回のサービスローンチの背景として、現在のデジタル広告市場をどうご覧になっているか、教えていただけますか?
岩田:昨年登壇させてもらった「MarkeZine Day」でもお話させていただきましたが、今、デジタル領域には3つの大きな地殻変動が起きています。
ひとつ目は、デバイスの変化。今、生活者の主要なデバイスは、PCからスマートフォンへと明らかに移っています。2つ目は、メディアの変化。ペイドメディアの時代から、ソーシャルメディアとオウンドメディアが発達して、トリプルメディアの時代になっています。
この2つの変化が掛け合わさったことで、ユーザー行動の起点が“PCでポータルサイト”から“スマホでソーシャル”になった。これが、企業のマーケティングに影響を及ぼしているんです。
そして3つ目は、SEMの飽和です。ネット広告は1兆円市場といわれますが、基本的に大きく牽引してきたのはSEMです。しかし、もはや検索ユーザーも増えず、入札の競争も激化している今、SEMだけでは差別化できなくなっています。
アドエビスも一気通貫の概念へと進化すべき
岩田:ユーザー行動が変わり、顕在層を獲得するという既存のやり方だけでは勝てなくなった。そこで近年注目を集めているのが、コンテンツマーケティングやネイティブアドです。
MZ:顕在層ではなく潜在層を取り込もう、と。
岩田:ええ。ただ、この段階でターゲットにしている人たちは、なにせ潜在層ですから、ちょっと背中を押すだけでは買ってくれません。ですので、顧客を育成するというリードナーチャリングの発想が必要になります。それで、DMPやマーケティングオートメーションなどが発展してきた……というのが現状です。
MZ:では、直近の企業の課題は何でしょうか?
岩田:ここで新たに生まれた課題が、2つあります。ひとつは、SEMにDSP、ネイティブアドなどの施策が増えることで、管理画面の数が膨大になってしまっていること。もうひとつは、個々のユーザーの状況を細かく把握する必要があることです。
これらに対して、当社も国産ツールメーカーとして解決を提示すべく、アドエビスでの一括管理を実現し、また「コンテンツエビス」など新しい効果測定ソリューションを提供し、幅広いマーケティング課題を解決しています。
しかし、これまでのソリューション群は、あくまでマーケティングファネルを横に切った施策ごとの測定に留まっていました。それでは根本的な解決にならないという危機感から考案したのが、今回発表した「オーディエンスエビス」です。