インターネットの影響力
結論としては、「インターネットの影響力なんてたいしたことがない」ということです。認めたくない人が多いことも知っています。筆者も10年以上、この業界で仕事をしてきて、もっともっと影響力があったらいいなと思うことはたくさんあります。しかし、冒頭に書いたとおり、適正価値を知らないと、正しいホリスティック・マーケティングの設計も、売上を伸ばすという本当の目的も達成できないのです。
そして、我々がまず認めるべきは、「ネットで少々話題になったところで、世間の大多数の人は知らない」ということです。ブログが炎上してもウォークマンは売れているし、広告賞を受賞したナイキのネットキャンペーンでさえ、ほとんどの人は知りません。
ブログのクチコミによってヒットしたといわれる「時かけ」に対し、批判だらけと言われた「ゲド戦記」の興行収入は30倍もあります。その理由が大量投下されたテレビCMやコンビニで100万部以上配布されたフリーペーパー「ゲドを読む」の効果(さらにはそれを取り上げるマスメディアの効果)であることは事実ですが、この「ブームを起こす力」において、インターネットはテレビや新聞など従来のマスメディアに遠く及びません。
もちろんインターネットが売上を大きく左右することもあります。それは狙っている売上規模が小さい(=ネットだけで達成できる)場合、あるいは自社の顧客の大半がネットに日常的にアクセスしている場合です。
大事なことは過大評価をせず、インターネットの強み、インターネットの価値の本質を見極めて利用することです。インターネットだけでなんかしようとするのに無理があるのであって、インターネットに価値がないわけではないのです。
後編では、インターネットの価値について迫っていきます。こちらからどうぞ!